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2020.05.10

キャンピングカーで医療現場を支援する『バンシェルター』スタート

昨今、急激な盛り上がりを見せているバンライフ、車中泊といった旅やライフスタイル。近年、国内でのキャンピングカー保有台数は右肩上がりで現在12万台のキャンピングカーが国内にあるといわれています。緊急事態宣言発令中の今、移動も旅も自粛期間ですが、そんな中、レジャーに行けないキャンピングカーを有効活用し、医療現場を支援しようと立ち上げられたプロジェクト『バンシェルター』がスタートしました。再び旅を楽しむ未来へのモチベーションが支援に繋がる、そんな素敵な取り組みを紹介します。

ひっ迫する医療機関で、キャンピングカーをシェルターに

『バンシェルター』は新型コロナ早期収束に向けて、医療機関の病床や休憩所などの不足を解消するために、キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどを無償で貸し出すという、プロジェクトです。発足したのは、バンライフや車中泊を楽しむための数々のプラットフォーム事業を展開するCarstay。クルマでの旅ライフスタイルを提案しているCarLife Japanと共同運営で、キャンピングカーや、自動車で牽引可能なトレーラーなどの事業者と連携し、医療機関向けに合計100台以上の車両提供を目指しています。

場所を選ばずに、水や電気、睡眠スペース等のインフラが提供可能なキャンピングカーの利点を生かした、この試み。感染流行により、PCR検査を実施する場所や、医療従事者が休憩する場所の確保に限界を迎える可能性がある今、各医療機関に、診療、治療、待合、シャワー、トイレ、休憩、隔離といったニーズに応じて、キャンピングカーをシェルターとして有効活用してもらおうというものです。

そもそも、今回のプロジェクトを発足したCarstayとは?

電話取材に応じてくれた、Carstayで広報を担当する中川生馬さんのお話を交えてお伝えします。Carstayは、車中泊スポットのシェアサービス『Carstay』や、キャンピングカーなどの車中泊仕様の車のシェアサービス『バンシェア』を展開するバンライフのリーディングカンパニーです。バンライフや車中泊を楽しむためのインフラを整備してくれている企業といえます。

「2019年2月にスタートした『Carstay』は、民泊の車中泊版。空き地や駐車場などを車中泊スポットとして貸し出すオーナーさんと、車中泊スポットを探している人を繋ぎ、正式に車中泊が可能な場所を検索できるプラットホームです。過疎化が進んで、遊休地が多く存在する田舎にも素晴らしい場所がたくさんありますが、電車ではアクセスが悪い場所も多々あります。そういった場所とクルマ旅をする人とを繋ぎ、“地方を活性化する”するというのも我々のミッションの一つです」(中川さん)

バンライフの可能性が広がる未来に向けて、今あるスキルを活用する

現在、Carstayに登録された車中泊スポットは170ほどあり、長崎の島原城などユニークな公共スポットから個人宅、スーパー、寺社仏閣、温泉旅館の駐車場まで、多岐に渡ります。車中泊スポットのオーナーは、地元ならではの体験を登録することもできるそうで、場所の貸し借りだけでなく地元のオーナーとの交流ができることもこのCarstayの魅力の一つなのだとか。ちなみに、旅が大好きでバックパッカー経験もあるという中川さんは、石川県の能登・石川県穴水町岩車在住。Carstayの業務はテレワークで行い、車中泊スポットや文化・田舎体験のホスト、車中泊仕様のクルマのオーナーもしているのだそう。

「例えば、僕が住む石川県能登は冬の時期に牡蠣の水揚げ体験ができたりしますよ。ただ車中泊するだけ、ではなく現地のことを深く知ってほしいという気持ちがありますし、訪れた方々からも地元の人との触れ合いによって旅の満足度が上がるといった声もいただきます」(中川さん)

中川さんが運営する石川県能登にあるシェアハウス、シェアオフィス、コワーキングスペースなど多用途・多目的の家『田舎バックパッカーハウス』。中長期滞在可能な“住める”民家の駐車場『バンライフ・ステーション』も併設。

Carstayの利用者も順調に増加し、今春新たなサービス『バンシェア』を開始することに。キャンピングカーを含む車中泊仕様のバンに特化した、個人間で車を共用することができる日本初のカーシェアサービスが『バンシェア』です。しかし、全国への緊急事態宣言が発令され “ステイホーム”のときとなってしまいました。

「レジャーやアウトドアを推奨することができない今、自分たちの持てるスキルやシステムを活用して何かできないかと考え、立ち上がったプロジェクトがバンシェルターです。バンシェアのシステムも、まずはバンシェルターに有効に活用していこうと前向きに捉えています。また、今後、隔離スペースやシェルターとして、可動産としてのクルマが見直されるのと思うので、バンライフというものの注目度はさらに上がるのではないかと考えています」(中川さん)

新型コロナ収束後の楽しみが支援に繋がる

そうして始まった『バンシェルター』プロジェクト。1,000万円の協力資金調達を目標に、4月23日からクラウドファンディングをCAMPFIREにて開始しており、すでに、 161人の支援者により、31%の資金が集まっています(5月5日時点)。支援は、3,000円から可能で金額に応じて、車中泊スポットの利用権や貸切プライベートキャンプ利用権などのリターンを得ることができます。また、資金面の支援だけでなく、『バンシェア』を使い、“遊休状態”にあるキャンピングカーを貸し出すという方法でのサポートも可能です。

CAMPFIREでのクラウドファンディングページはこちら

医療機関へのキャンピングカー無償提供はすでにスタートしており、現地の方々からは「緊急事態で非常に困っていたので、安心して休める場所があるのは大変ありがたい」、「キャンピングカーに初めて乗りました。電気水道がついてて快適に滞在できるので、とても助かります」といった声が寄せられているそうです。

未来の旅へのモチベーションが、医療現場への支援に繋がる、ソーシャルグッドなプロジェクト。家から出られなくても、ポジティブなアクションを起こすことはできるのです。

バンシェルター実行委員会
運営:Carstay 株式会社、株式会社 CarLife Japan
URL:carstay.jp/ja/vanshelter
医療機関・自治体・個人からの問い合わせ先:
van.shelter@carstay.jp(Carstay 社)

Photo by carstay(=記事本文)/iStock.com/Bee-individual(=記事トップ)