能登半島を家族で堪能できるクルマ旅
中乃波木/エッセイスト・写真家
area:石川県能登町
金沢に暮らし、エッセイストそして写真家として活動する中乃波木さんは、12歳の時に母親と共に石川県能登町へ移住した。“縁もゆかりもない土地だった”という能登は、日本海に突き出した南北100キロほどに伸びた半島。『能登の里山里海』は日本初の世界農業遺産となり、公共機関も一日数本しか走らないという豊かな自然環境が残る場所だ。
それまで都会育ちだった中さんには、“ここ(能登)に当たり前にあるものは、全部当たり前ではない”ということが分かっていた。だからこそ、能登の自然、文化、学校、人々の暮らしは癒しであり、彼女の活動力になったという。“心の故郷”と称す能登の風景や生活を切り取る写真家が能登ではなく金沢に暮らすのは、程よい距離感を持つことでその豊かさが当たり前にならないようにするためだ。
18歳でクルマの免許を取得してからというもの、カメラを片手にクルマであてもなく能登の自然を巡るのが大好きという中さん。
「人目を気にせずに好きに話せて、好きな音楽を聞いて、天気の移り変わりや気温を体感しながらの旅は最高です。特に家族との旅はクルマ旅が一番! 能登はクルマ旅に最高の場所です。大きく深呼吸がしたくなった時に訪れてほしいなと思います」
石川県珠洲市
01.木の浦海岸と木の浦ビレッジ
能登半島の先端、国定公園特別地域に指定された美しい海岸でリラックス
一番よく行く珠洲市の海岸です。海岸に面してコテージが立ち並ぶ体験型宿泊施設の木の浦ビレッジには数泊して海で泳いだり、波の音を聴きながら過ごしたり、家族と度々訪れています。ずっと聞こえる波の音が心落ち着かせてくれる場所です。
- 住所
- 〒927-1446 石川県珠洲市折戸町ホ25−1
- HP
- kinoura-village.com
- @kinouravillage
石川県珠洲市
02.CAFE Cove/二三味珈琲焙煎所
目の前に海が広がるさいはてのカフェ
木の浦海岸にある好きな店です。どちらもできた当初から通っていて、店の人とも家に行くほどの仲良しになりました。二三味珈琲焙煎所は、映画『さいはてにて』のモデルとなったお店。コーヒー好きにはよく知られた焙煎所で全国にファンが多くいるそう。すぐお隣のCAFÉ Coveでは、二三味珈琲焙煎所の豆を使用したコーヒーが楽しめます。
- 住所
- 〈CAFE Cove〉 石川県珠洲市折戸町ハ-99
- @kinoura.uminoie
- 住所
- 〈二三味珈琲焙煎所〉 石川県珠洲市飯田町7-30-1
写真:CAFÉ Cove
石川県能登町
03.陶房眠兎(みんと)
自然の中で創作された作品が並ぶ陶房
陶芸家である母の陶房です。小さなものから、陶板、オブジェなど、幅広く制作しています。能登にきてから陶芸を始めた母ですが、今年30年目を迎えました。ここで過ごした時間はいつも夢がいっぱいで、二人で頑張ろうねと励まし合った場所でもあります。今も帰ると必ず立ち寄ります。
- 住所
- 〒928-0331 石川県鳳珠郡能登町字柳田ノ45部
- URL
- minne.com/@tobo-minto
石川県七尾市
04.和倉温泉
海から湧き出る、全国的にも珍しい温泉
中能登にある温泉地。珠洲まで一気に北上してから徐々に金沢に向けて南下していくのがクルマ旅のルートです。ここでは総湯に入ったり足湯をしたりします。
- 住所
- 石川県七尾市
石川県七尾市
05.のとじま水族館
子どもも大人も楽しい体験型の水族館
大人になっても楽しめる海沿いの水族館。ジンベエザメなど能登半島近海に生息、回遊してくる魚を中心に見ることができます。ペンギンのお散歩も可愛いです。
- 住所
- 〒926-0216 石川県七尾市能登島曲町15部40
- URL
- notoaqua.jp
- @notoaqua_jp
中乃波木 (なかのはぎ)
写真家・イラストレーター・エッセイスト
東京生まれ。幼少期はインドネシア、芦屋と移り住む。能登の原風景に魅了され12歳の時、家族で能登半島(旧柳田村)に移住。石川県立工業高校工芸科で伝統工芸を学び、東京造形大学写真専攻を卒業後、広告制作会社を経て独立。写真集〈Noto〉、絵本〈もじもじものがたり〉、〈い~じ~大波小波〉の出版、個展や企画展、講演会、イベントゲストなどにも多数出演。いしかわ観光特使、能登町ふるさと大使を務める。
IG:@nohaphoto