生活の中に“移動”があるプロフェッショナルたちに訊く「#これからの時代に役立つクルマ旅ギア紹介」企画。今回のセレクターは、アパレルブランド〈F/CE.〉のデザイナーであり、バンド〈toe〉のベーシストでもある山根敏史さん(@satoshiyamane)。マルチに活躍する山根さんはどんなモノとともに移動しているのだろうか。
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select by スタイリスト 平健一
select by noru journnal編集長 村松亮
select by バンライファー小濱潤平
select by neru designworksデザイナー neru
select by インスタグラマー YURIE
select by キャンパー issei
select by 建築家 岡田宰
select by クリエイティブ・ディレクター 田中嵐洋
select by クリエイティブ・ディレクター 山根敏史
公共交通機関は苦手で、自分のペースを保つためにも常に移動はクルマだという山根さん。最近は72年製のキャンピングカー・ウィネベーゴで家族のレジャーやイベントに赴いているようで、その愛用品からも継往開来たる彼のクリエイティビティが伺える。新旧入り混じる彼のスタイルを道具から紐解いていこう。
お気に入りの陶器と日常生活を味わう
江戸時代中期からの歴史を持つ、関東最古の窯場である茨城県笠間市。主に粘りと細かい粒子が特徴の蛙目粘土(がいろめねんど)を使った作品が有名で、300軒もの窯元が集まるこの一大産地からは、個々の窯、作家によって多種多様な焼き物が生まれている。そんな笠間の山間に陶房を構える陶芸家・沼野秀章さんは、個性溢れる作風で知られる気鋭のひとり。「刻ム音」と名付けられたシリーズは、自身が好きな音楽を聴きながら、音を刻むように制作することから名付けられたもので、予定調和のない独創的な柄が特徴だ。内側をパラジウム釉で仕上げられた片口は渋く輝き、日本酒を楽しむ時間をより味わい深く演出してくれる。
「陶芸作家の沼野秀章さんの作品との出会いは、当時世田谷の松陰神社にあったセレクトショップ〈DASK〉(2022年に品川に移転)。そこで強く惹かれて買わせてもらったんです。その後、沼野さんが僕がやってるバンドのファンということがわかって、それから交流するようになりました。個展が開催されるたびにお邪魔して、お皿を買って家で使っていたんですが、ある時にこの片口に惹かれたんです。沼野さんは大の音楽好きで、それも作風に反映されているようなんですが、色使いも変わっていて形も歪んでいたりします。素朴だけどモダンさもあり、植木鉢もかっこいいんですよ。僕は民芸品や焼き物、アートとかには疎いものの、なぜか沼野さんのは欲しくなるんですよね。お皿も、ただ焼いたお肉を盛り付けるだけで美味しく見えたりしますし。僕は日本酒はあまり飲みませんが、この片口にワインやウィスキーを入れて飲んだりして楽しんでいます。(山根敏史)」
■作家詳細
沼野 秀章
陶歴
1976年 福島県に生まれる
1996年 文化学院芸術専門学校陶磁科 卒業
1997年 茨城県窯業指導所にて研修
2001年 駒澤博司氏に師事 茨城県岩間町押辺に築窯
2009年 茨城県笠間市に移転
HP:mashiko.com/artist/hideaki-numano
IG:@numaani0005
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Photo by Kenichi Muramatsu / Shinji Yagi