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2023.10.26

実用的ヴィンテージのプロダクトデザインに惹かれて select by Satoshi Yamane

ヴィンテージ 502ストーブ/Coleman

生活の中に“移動”があるプロフェッショナルたちに訊く「#これからの時代に役立つクルマ旅ギア紹介」企画。今回のセレクターは、アパレルブランド〈F/CE.〉のデザイナーであり、バンド〈toe〉のベーシストでもある山根敏史さん(@satoshiyamane)。マルチに活躍する山根さんはどんなモノとともに移動しているのだろうか。

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select by スタイリスト 平健一
select by noru journnal編集長 村松亮
select by バンライファー小濱潤平
select by neru designworksデザイナー neru
select by インスタグラマー YURIE
select by キャンパー issei
select by 建築家 岡田宰
select by クリエイティブ・ディレクター 田中嵐洋
select by クリエイティブ・ディレクター 山根敏史

公共交通機関は苦手で、自分のペースを保つためにも常に移動はクルマだという山根さん。最近は72年製のキャンピングカー・ウィネベーゴで家族のレジャーやイベントに赴いているようで、その愛用品からも継往開来たる彼のクリエイティビティが伺える。新旧入り混じる彼のスタイルを道具から紐解いていこう。


外に連れ出したいと思える、数少ないヴィンテージギア

ランプからその歴史が始まり、1920年代からはツーバーナーを、’40年代からはスポーツスターの愛称を持つシングルバーナーを製造していた〈Coleman〉。ガソリンシングルバーナー「502」は、現行品の508Aの形状に切り替わる前のモデルで、’63年ごろから’84年前後まで、20数年の長きにわたり生産されたロングセラーモデル。その間にパテント取得によるロゴの変化や、火力調整レバーが1つのモノと2つのモノが登場したものの、基本的な形状の変更はなし。安定感のよい不思議な形状の五徳や、ぽってりと丸みをおびたバーナーボウル、現行モデルとは違う少し明るめのコールマングリーン…。その素朴な姿がヴィンテージファンにも愛されている。アルミのケースはそのまま鍋として使うように設計されており、セット内容にはトングも含まれていた。’70年代後半に登場したコンパクト設計のシングルバーナー「ピーク1」よりは大ぶりだが、そのシンプルでパワフルなバーナーは現在のキャンプシーンでも申し分ない力を発揮する。

「元々コールマンのホワイトガソリンを使うシーズンランタンを持っていたので、それと燃料も共通して使おうと思い、あるとき程度がよいモノを中古で買いました。シングルバーナーですが安定感もあるので、僕はこれをカセットコンロ感覚で使っています。レバーの仕様違いで2台の502を持っているのですが、写真のモノは70年代の2レバーのモノですね。ポンピングが面倒ですが、ガス缶と比べて寒いところでもパワフル。正直キャンプではあまり料理はしなくて、簡単にカップラーメンなど食べることが多いんですが、湯沸かしをするときに使っています(笑)。メンテナンスが必要で手間がかかるので、僕はヴィンテージのキャンプ道具って実はあんまり好きじゃないのですが、これはプロダクトとしてというか商品デザインの原型としてすごく惹かれるんです。キャンピングカーに置いていても、事務所に置いていてもサマになります。(山根敏史)」

ヴィンテージ 502ストーブ

廃盤品

SHOP INFO
取り扱い:Coleman
URL:coleman.co.jp

Photo by Kenichi Muramatsu / Shinji Yagi