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山の滋味と緑の風景に癒される、至福の里山旅

ナビゲーター:大竹明郁(プチマルシェ/モッキ)
» Inadani, Naganoguide map
行程
1泊2日
ルート走行距離
約32km
IC
中央道伊那インター
エリア
伊那

ヨーロッパ郷土料理レストラン『プチマルシェ』と一棟貸しのコテージ『モッキ』を営む料理人の大竹明郁さんが挙げてくれたのは、この地の暮らしぶりや風土が垣間見えるローカル色豊かなスポット。生産者の顔が見える市場で旬の野菜を買い、山岳信仰の道をなぞりながら山菜やキノコを探し、柔らかな湯に身体を沈める。ハイライトは、自分たち以外、誰もいない山小屋で過ごす至福のひとときだ。忙しない“旅行”ではなく、暮らすように旅をする。いまはそんな過ごし方が気分。

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1日目
003-Aプチマルシェ

伊那谷の自然の恵みで再現される、ヨーロッパの郷土料理をいただく

ヨーロッパの郷土料理をいただける予約制のレストラン。地元で獲れた鹿肉を使った、東欧でおなじみのグラーシュに、鳥モモ肉を自家製シードルで煮込んだバスク地方の煮込み料理、ホームメイドヨーグルトで仕上げるギリシャ料理のムサカ……料理人の大竹さんがヨーロッパを旅する中で出合った味わいを、自家菜園の野菜、飼育しているヤギの乳から作ったチーズ、周辺で採れた山菜やキノコなど、伊那谷の自然の恵みを使って再現している。その時々の季節の食材の滋味を味わい尽くそう。

住所
長野県伊那市富県上新山1777-557
営業時間
ランチ11:30〜14:00、ディナー17:30〜21:00
定休日
1〜3月末頃までは冬季休業、ほか不定。予約制
電話
0265-96-0657
URL
owari.ne.jp/~petit/
003-B山小屋mokki

山の暮らしが体験できる、1日1組限定の山小屋

薪ストーブに薪のオープン、石窯までを備えた一棟貸しのコテージ。ここでは山菜採りやキノコ狩り、畑仕事で山の暮らしを体験してみよう。もちろん、コテージの前の庭に座り、何もしないでお酒のグラスを傾ける、そんな過ごし方もおすすめ。「旅というとついつい観光地を回ってしまうという人も多いと思うけれど、そんな人にこそ、どこにも行かないで過ごすという贅沢を提案したいですね。その土地の魅力を堪能する、そんな風に過ごせるように作った山小屋です」(大竹)

住所
長野県伊那市富県上新山1777-557
定休日
1〜3月末頃までは冬季休業、ほか不定
電話
0265-96-0657
URL
owari.ne.jp/~petit/mokki/mokkirates.html
003-C高烏谷山

中央・南ア、時には北アまでも見渡せる眺望を求めてハイキング

伊那山地の一角を成す山岳信仰の山。高烏谷神社奥宮を擁する標高1331mの頂上からは、東に南アルプス、西に中央アルプス、天気に恵まれれば北アルプスまでを一望し、眼下に天竜川の流れや辰野から飯島に至る伊那谷を望む。2本の登山コースが整備されているほか、頂上直下までクルマを乗り入れることもでき、春から秋にかけてはハイキングや山菜採りの人で賑わう。「『プチマルシェ』から直登する登山道にアクセスでき、1時間あまりで頂上へ出られます。あらかじめリクエストしていただければ、ハイキング用のランチも作りますよ!」(大竹)

住所
長野県伊那市富県北福地
URL
inashi-kankoukyoukai.jp/contents/archives/27741
2日目
003-D信州高遠温泉さくらの湯

桜の名所としても知られる高遠でひと風呂

かつての城下町で、桜の名所としても知られる高遠にある日帰り温泉施設。施設の前にも桜の大木があり、春先に来館者を楽しませている。泉質はアルカリ性単純温泉、ぬるりとした肌ざわりで芯から温まると評判だ。「この辺りでいちばんお湯がいいのがここ。チェックインする前にここでひと風呂入ってきてください」

住所
長野県伊那市高遠町西高遠旭町928−2
営業時間
10:00〜21:00(20:30最終入場)
定休日
第2・第4火曜
電話
0265-94-3118
URL
ina-city-kankou.co.jp/sakuranoyu
003-E産直市場 グリーンファーム

青果だけでなく、手作り発酵食品や昆虫食も揃う市場

採れたて野菜や果実はもちろん、鉢植えや切り花、手作りの発酵食品やお惣菜に、地域の食文化である昆虫食までが揃う産直市場。冬期と夏期には骨董や古道具のコーナーも開設され、多くの人で賑わいを見せる。クマやヤギ、ダチョウを飼育している動物コーナーは子どもたちに大人気。

住所
長野県伊那市ますみヶ丘351−7
営業時間
8:00〜19:00(1、2、12月は〜18:00)
定休日
1月1日
電話
0265-74-5351
URL
green-farm.asia

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※この撮影は2019年10月に実施され、一部加筆修正した記事になります。なお、5月11日現在、全国の緊急事態宣言を受けまして、長野県では「外出自粛の要請」、「県域をまたいだ移動自粛の要請」を中心とした措置を実施しています。まん延を食い止めるため、該当期間中は、読者の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

事態が収束し、自由に移動できるようになったときには、旅先の候補として「伊那谷」を検討いただければ、編集部としては何よりです。

愛知県出身。名古屋のイタリアンレストランで経験を積んだ後に独立。2009年、同じ名古屋でヨーロッパのヴィンテージ店を営んでいた妻の美保子さんとともに伊那市に移住。ヨーロッパ郷土料理と西洋民芸の店『プチマルシェ』、一日1組限定で宿泊客を受け入れるログハウス『モッキ』の2施設を構える。独自の視点で里山暮らしを切り取り、その衣食住の魅力を発信している。
http://www.owari.ne.jp/~petit/

Text by Ryoko Kuraishi