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#01 noru projectメンバーのモビリティ事情
2020.11.10

#01 noru projectメンバーのモビリティ事情

noru journal編集部やnoru projectのチームメンバー、そして、時にはゲストを招いて、“乗る”にまつわるさまざまなテーマについて等身大の意見をディスカッションする座談会企画がスタート! 記念すべき初回には、noru journal編集長 村松亮と、その兄でフォトグラファー、noru project総監督である村松賢一、広告プロデューサーでnoru projectチームメンバーの杉本哲也が登場。noru チームの主要メンバーが、まずは三者三様のモビリティ事情についてゆるめにトーク。

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今回の登場人物について

村松亮
クルマ・オタクではない短所を「伸びしろ」と捉えて暖かく見守ってほしいと願うnoru journal編集長。1983年東京都生まれ。小中高は茨城県で育つ。10代はサッカーに没頭し、20代はクラブカルチャーに。前職では映像メディアDEFRAGの運用、スポーツライフスタイルメディア『onyourmark』とその雑誌版『mark』の立ち上げに参画。2016年よりSHIKAKU incに所属し、2020年にnoru projectを発足。“移動とライフスタイル”が自身のテーマとなるきっかけになった長野と東京の二拠点ライフは、震災を経て2013年にスタート。2020年春からは、東京には拠点を持たずオフィスのみとし、平日は長野県の御代田町(軽井沢と佐久の間)にある丘の家で、休日は中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷にある山の家で過ごす。山は登るよりも眺める派、趣味はヨガとランニング、BBQ、キャンプ。子どもはふたり、飼い犬はイタリアングレーハウンドと、ウィペットの2匹。

クルマ遍歴:プジョー308SW →SUZUKI ジムニー →TOYOTA ランドクルーザー80

村松賢一
1980年東京生まれ。2003年日本大学芸術学部 写真学科卒。2003年株式会社アマナ入社。2010年よりフリーランスフォトグラファーとして活動開始。2013年に、株式会社55を設立。noru studioオーナーであり、noru projectの総監督。無類のクルマ好き、とくに70~80年代のヴィンテージカーに目がない。noru studioの空間作りでは、「クルマを美しく撮れる」ことにもこだわった。

クルマ遍歴:SUZUKIの軽トラ→CADILLAC フリートウッド ブロアム→ VOLKSWAGEN カラベル→VOLKSWAGEN ゴルフ/FORD ブロンコ/Mercedes-benzゲレンデ

杉本哲也
株式会社アマナにて14年間勤務。主に広告・コミュニケーションにおけるビジュアル制作のプロデュース業を中心に従事。プロデューサー、マネージャー、ゼネラルマネジャー、取締役と、様々な役割・役職を経験し、会社全体の価値を生むシナジー効果を実現。2017年に、新しい領域へのチャレンジを実践すべく独立し、株式会社kusabiを設立。現在、様々なクリエーターたちとの信頼関係とネットワークを強みに、各マーケットに対し事業を展開中。

1979年 東京生まれ。下町生まれ植木屋育ち。二児の父。小学校3年生からサッカーにハマり今に至る。趣味はサッカー、サーフィン、ゴルフ。noru projectでは、プロデューサーとして企業とのタイアップやクリエーターとのリレーションをはじめ、マーケットとnoruを繋ぐ役割を担う、お父さん的存在。

クルマ遍歴:TOYOTA ビスタ→NISSAN テラノ→VOLVO XC90→BMW 218d→Mercedes GL63(現在)。会社の営業車は、TOYOTA ランドクルーザー80。

久恒杏菜
大きい声では言えないがクルマのことはあまりわかっていない、noru journal編集部員。1988年生まれ。昭和と平成の間世代。湘南 鵠沼在住。前職は、スポーツライフスタイルメディア『onyourmark』『mark』での編集者・プロデューサー。結婚して一時主婦になろうとするも、仕事に復帰。現在は主にテレワークスタイルで、noru projectのマネージメントや「noru journal」の編集・ライターを担当。インドアとアウトドアどちらも好きなハイブリット派。アウトドア、スポーツ、料理などライフスタイル分野の事柄に積極的。好きなことは、たまにのランニング、上達しないサーフィン、キャンプ、温泉、ライブ鑑賞、珈琲豆の焙煎、料理など。

今回は進行役として登場。

クルマ遍歴:19歳で運転免許を取得後、即ペーパードライバーとなり、現在はピカピカのゴールド免許を保持。10年近くほとんど運転していなかったが、最近、自家用車として購入した中古車HONDA CR-Vで運転のリハビリを試みているところ。


ウィズコロナ時代、クルマのありがたみを知る

久恒:さて、この「“乗る”にまつわる編集部座談会」なんですけど、趣旨としては『noru Journal』を作っているメンバーがクルマ、ひいてはモビリティというものに対してどんな考え、スタイルを持っているのか、というのを軸にざっくばらんにいろんなことを話していければと思ってます。

村松(亮):まあ、クルマ好き一般人の雑談連載という感じですかね。

村松(賢一):おもしろくなるか不安だなあ(笑)。

杉本:ゆるい感じでやっていきましょう。

村松(亮):本当なら1回目は「この冬どこにいくか」というテーマでやりたかったんだけど。

村松(賢一):コロナでどこも行けなくなっちゃったもんね。

久恒:でも、クルマでの移動距離という意味ではコロナ後のほうが増えてたりしないですか?

村松(賢一)それは間違いないね。千葉から都心への往復が常にクルマになったから、1日100km近く走るようになったからね。

(Kenichi Muramatsu / Wayfinding (2020))コロナ渦で村松(賢一)が撮影した作品。移動中の車内からとらえた“道しるべ”。詳しくはこちらの記事に。

杉本:それだけ定期的に長い距離走ると調子よくなったりしない?

村松(賢一)そうそう。週1乗るよりも毎日乗ったほうが調子がいいよね。

村松(亮):クルマっていうのは移動するパーソナルスペースだから、今はありがたい存在になってるよね。

村松(賢一):クルマを持ってる人に関して言えば、そこまで移動の制限は感じないというのはあるね。

久恒:スーパーなんかも、公共交通機関使わずにクルマでサッと行けちゃいますしね。

村松(亮):無用な外出を避けるために、スーパーに行って買い置きしておく習慣ができたから、スーパーに行くためだけにシェアカーやレンタカーを使う人も増えてるっぽいよね。

運転中の換気はどうしてる?

杉本:コロナと言えばさ、みんな換気ってどうしてる?

村松(賢一):俺は常に窓を全開にしてる。

杉本:僕は最初の10分くらい開けとくかな。服とか車内とかについてそうだから。

村松(亮):換気かあ。僕は長野との二拠点生活だから、田舎のほうで運転するときはそこまでコロナを意識した換気はしていないかも。そもそも東京と長野とで、自分自身の暮らし方も意識も少し違ってきてるのかも。

伊那谷にある村松(亮)の週末ハウスと愛車

村松(賢一)田舎をクルマで移動してる分には、あんまり密な状況とかも生まれないだろうしね。

杉本:僕はけっこう周りのクルマが気になっちゃう。他のクルマもオープンにしてるじゃない? そうなると信号待ちとかでコロナが出入りしちゃうんじゃないか、とか考えちゃう。だから、信号待ちで隣のクルマが全開だったりすると逆にピューッて窓締めちゃったり。気にしすぎか(笑)

久恒:人それぞれで面白いですね。でも実際のところ、どうなんでしょうね。

杉本:どの程度、空気感染するのかとかね。いまいちそのへんが分からないから、対策も手探り状態だよね。

村松(賢一):コロナのせいで、気持ち的に密封されちゃう感じが嫌になったってのもあるかも。だから窓を開けたくなる。

久恒:密、密、っていろんな現場で言われますしね。

村松(亮):マスクもそうだけど、マナーっぽいことにもなってるもんね。できるだけオープンで感染しにくい環境にしておくというのが。

村松(賢一):雨でもオープン。

杉本:徹底してるなあ(笑)。

村松(賢一):いまさらだけど、窓のバイザーのありがたみがわかったよね。いままではタバコ吸う人用って感じだったけどね。

ところで皆さん、クルマ遍歴は?

久恒:このへんで、それぞれの車歴を教えてもらいたいです。それだけで、だいたいの人物像みたいなのが見えそうです。

村松(亮):たしかにどんなクルマに乗るかって、その人のライフスタイルとか好みとかが、かなり反映されるね。

村松(賢一):俺は一番最初が5万円で買った軽トラ。その当時はまだアシスタントだったから、とりあえず荷物詰めるやつにしたって感じかな。

杉本:よく撮影用のペーパーとか積んでたよね。

村松(賢一):そう。その後、荷台を改造して、作品撮りのための車両にしたんだよね。どんな場所でも即席ポートレート撮影ができるようにバックペーパーを立てられるような仕様にして、“どこでも白バック”という作品を撮ってた。

どこでも白バック作品の一部。村松賢一が特集で取り上げられた『コマーシャル・フォト2009/9号』の表紙より。

村松(亮):この作品は懐かしいね。もともとnoru projectの構想期にも「どこでも白バックはまた違ったカタチで再始動しよう!」なんて話してたからね。

村松(賢一):その次が1990年くらいのキャデラック。

村松賢一が乗っていたキャデラックがこちら

杉本:いきなり行ったね(笑)。

村松(賢一):もともと親父が乗ってたやつで、捨てちゃうっていうから譲ってもらっただけなんだけど。でも乗ってみたら撮影機材がぜんぜん積めないってなって、フォルクスワーゲンのカラベルっていうバンに乗り換えた。

久恒:いまでも乗ってますよね。

村松(賢一):社用車にしちゃったけどね。で、いまは昔からずっと欲しかった1976年のFORD ブロンコ。

杉本:ブロンコ、都内で運転きつくない?

村松(賢一):意外と大きくないよ。幅は1.8mだし、2ドアのショートだから長さは4m切ってる。

杉本:オフホワイトって色もいいよねえ。

村松(賢一):3点式シートベルトじゃないから、チャイルドシートを付けられないんだよね。だから完全自分用。

村松(亮):でもマニュアルって大変じゃない? 坂道とか。

村松(賢一):オリジナルはサイドブレーキを足でかける方式だったから、かなりシビアだったけど、いまは手で操作できる油圧ブレーキ付けてもらったから、楽になったよ。

村松(賢一)が乗るブロンコがこちら。2020年8月にオープンした撮影スタジオ・コミュニティスペースのnoru studioにて撮影。

村松(亮):僕の場合は学生時代を地方で過ごしていながらレアケースなんだけど、クルマの免許を取ったのが30近くなってから。10代後半でタイミングを逃して以来、免許をとるときは東京にいながらもクルマを買えるようになってから、と決めていた。実際それまでは別にクルマはいらないかなって思ってたし、経済的にも都会では持てなかった(笑)。でもいよいよ子どもも産まれるぞ、ってタイミングで、やっぱり必要だってことになって。免許を取得前に、先にクルマを購入して。で、奥さんの両親とのシェアカーとして買ったプジョー308 SWが最初。

村松(賢一):別にそれがどうしても欲しかったってわけでもなかったんでしょ?

村松(亮):まあ、初めは自分のクルマって意識はなかったかな。その後に、2台目としてジムニーを買って、その時はもう二拠点生活が始まっていたから冬になると雪がすごくて四駆が必要になった感じ。

杉本:二拠点、二台生活だ。

村松(亮):でも、そのジムニーはすぐに事故で廃車になってしまって、いまのランクル80に。いまの家族の悩みは、奥さん主体で乗っているプジョー308 SW もだいぶガタがきているし、二駆だし、2台目も四駆にするかどうか。雪道に強いミニバン、デリカD:5あたりに買い替えるか迷ってる感じだね。

村松(賢一):どちらかというと、趣味というよりは生活のために、という要素が俺より強そうだね。

久恒:杉本さんはどうです?

杉本:僕の場合は、キャデラックが家にあるような環境じゃなかったんで(笑)、わりと一般的。ただ親父がクルマ好きだったんで、若い頃からクルマへの憧れみたいなのはあったなあ。

村松(賢一):そういう世代だもんね。いまの若い子は違うかもだけど。最初のクルマはなんだったの?

杉本:親父のおさがりのTOYOTA ビスタ。大学入学の時だね。もうそのクルマでパンクやらエンジン故障やら、いろんな経験したなあ。自分でスモーク張ったりして(笑)。

村松(亮):自分カスタム(笑)

杉本:でも、良い思い出だね。2台目は会社にはいって1年間お金を貯めて買ったNISSAN テラノ。サーフィンはじめたのもあって、四駆で積めるクルマが良かったんだよね。

村松(賢一):それ売るときに、俺が写真を撮ったやつだよね。

杉本:そうそう。どのタイミングのクルマもそうだけどその時、その時代の思い出がたくさん詰まっているものだから名残惜しくて。いま考えれば、それが「noruスタジオ」で今後展開していきたい「さよならマイカー」企画の原点だよね。

久恒:それについては3回目の座談会で詳しくやる予定です。

杉本:その後は、ボルボのXC90初期型。当時は日本ではほとんど見なかったんですけど、メキシコに旅行に行った時に走ってるのを見て、いいなあと。


杉本が泣く泣く手放したボルボ XC90を、村松(賢一)が撮影した時の写真

久恒:いまでも乗ってるんですか?

杉本:いろいろ故障が重なって、泣く泣く手放して、いまはいわゆるファミリーカーになっちゃってるなあ。子どもが産まれて、安全性も気になってきていて、BMWの218グランツアラーで、3列目のシートを出せるやつに。からの今は、Mercedes GL63。

村松(亮):子ども2人だもんね。2人目が出来た時に、クルマの選び方って変わってくるよね。

久恒:こうやって改めてそれぞれの車歴を聞くと、けっこうバラバラですね(笑)。

杉本:ライフステージごとに変化もしてくるしね。選ぶクルマは。

村松(賢一):次の座談会のテーマは、ファミリーカーにするか、趣味を優先させるか。そのへんのところを喋っていってみようか。

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Illustration by YUNOSUKE Text by Takashi Sakurai