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#01 noruの次なるプロジェクト……、オリジナル軽トラキャンピングカー作ります!(構想〜下準備編)
2021.11.18

#01 noruの次なるプロジェクト……、オリジナル軽トラキャンピングカー作ります!(構想〜下準備編)

ヒトと移動にフォーカスしたライフスタイルメディア『noru journal』、クルマが乗り入れられるガレージスタジオ『noru studio』に続く新たなプロジェクトとして、オリジナル軽トラキャンピングカー『noru car』を作ります! この連載では、完成までの道のりやnoru carの活用した旅や企画などを編集部員が赤裸々にレポートしていきます。初回は、企画立ち上げの経緯から、軽トラキャンパーの魅力、キャンピングシェルの購入など、構想〜下準備編をお届け。

» noru car project

まずは、なぜ、軽トラキャンピングカーを作ることになったのか、ということからお話しよう。そのきっかけはというと、約2年前のTRAVEL企画での伊那谷取材。現地に行った村松亮編集長(写真左/以下、編集長)と、その兄でフォトグラファー、noruプロジェクトの総監督でもある村松賢一(写真右/以下、賢一さん)が、伊那谷の自転車ショップ〈CLAMP〉の代表でアウトドアマンの武村信宏さんが乗る、軽トラキャンピングカーに感化されたことがはじまりだった。武村さんの軽トラキャンピングカーは、軽トラのハイゼットジャンボに、自分好みにカスタマイズした〈TRAVEL HOUSE〉のキャンピングシェルを載せたもの。この武村さんのトラベルハウスが、(村松兄弟)ふたりの軽トラキャンパーのイメージをこえて、イケていたのだ。

それがこちら。伊那谷で取材した武村さんとトラベルハウス。引用記事はこちら

コスパが良いだけじゃない、今大注目の軽トラキャンパーの魅力

軽トラキャンピングシェル・トラベルハウスの魅力を、ざっとあげると……


・コスパの良さ!  トラベルハウス自体は約100万円前後で購入が可能(車体は別途で、仕様により価格は前後します)。4ナンバーだから維持費、交通費もすべて軽トラ価格。
・コンパクトだから、小回りがきいてどこにでも行きやすく、大きなキャンピングカーよりも駐停車場所のハードルも低い。
・ライフスタイルや使い方に合わせてカスタマイズできるから、実用的でオリジナリティのある自分仕様のキャンピングカーを作れる。

などなど。

近年右肩上がりだというキャンピングカー需要のなかでも増加傾向にあるらしい軽自動車ベースのキャンピングカー(出典:くるまのニュース)は、道の狭い日本でも移動も運転もしやすく、時代のニーズにもフィットしたクルマなのである。

とはいえ、武村さんのトラベルハウスを目にするまでは、ふたりは軽トラキャンパーに別段興味を持っていなかった、はず。軽トラキャンパーのことは正直あまりかっこいいものではないと思っていたであろう。彼らはクルマのデザインにうるさいのである。ヴィンテージカー好きの兄・賢一さんは特に……(村松兄弟のクルマ観については、こちらの記事を読んでいただけるとそのこだわりがなんとなく伝わるはずだ)。ところがどっこい、伊那谷の自然の中をアウトドアギアを載せて駆け回るトラベルハウスを、武村さんが山小屋みたいにカスタムした内装を、実際目の前にして、軽トラキャンパーの可能性を感じたのだ。軽トラキャンパーって、実用性とコストパフォーマンスが良いだけでなく、意外と“やりようがある”ってことに。


引用記事はこちら

そんなこんなで、軽トラキャンパーに興味を抱いたふたり。しかし、当時の世の中はビフォアコロナ、今とは状況が違った。賢一さんは、以前に発表している自身の作品シリーズ『どこでも白バック』の作品撮りをしながら各地を巡りたいと思っていて、編集長はnoru journalでのトラベル企画の取材車両に軽トラキャンピングカーが打ってつけだと思っていたそうだ。しかしほどなくして、コロナ渦に。移動は制限され、noru carを作る目的も揺らいだ。が、半年悩んで出した答えは、「やっぱり、noru car作ろう!」だった。

軽トラキャンピングシェル“旅する家”、トラベルハウスを発注

2020年6月某日、編集長が〈TRAVEL HOUSE〉さんの神戸の本社を訪ねて、キャンピングシェル「トラベルハウス」を発注。トラベルハウスは基本的に、ライトやコンセント、換気扇、窓、扉など“旅する家”として機能するための最低限必要なものが装備があり、かつ、内装の壁や床、外装のカラーはカラーバリエーションから選択することができる、というようなセミオーダースタイルである。そこからさらにカスタマイズしたり、DIYで手を加えることで、オリジナリティのある軽キャンパーが仕上がっていく。のだが、noru carはとことんこだわって、一から自分たちで作ってみたい! という思いから、通常は販売していない、壁紙や床材等内装無しのスケルトンな状態での購入を承諾いただいた。こうして、晴れてnoru journalカスタムの「トラベルハウス」を制作できることとなった。

トラベルハウスについて
カタログ請求やお問い合わせはトラベルハウスのHPよりご確認ください。Instagramでは、様々なオーナーさんのトラベルハウスが紹介されているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
HP:travel-house2020.jp
Instagram:@travelhouse_japan

車体は“軽トラ界の革命児”ことハイゼットジャンボをゲット

トラベルハウスは、軽トラに積載するキャンピングシェルであって、軽トラと合体しない限り“キャンピングカー”にはならない。なので、次に必要なのは軽トラである。探したクルマは、新古車のハイゼットジャンボ。座席が広くてリクライニングできる居住性の高さから“軽トラ界の革命児”とも言われているらしい人気車種。そのため、状態の良いものは引く手数多。新古車だと100〜160万が相場(編集部調べ)の、ラグジュアリーな軽トラだ。ここでは、クルマ探しが大得意な賢一さんがその腕を発揮。奮闘すること約1週間(早い!)。目標であった100万円以内、なんと98万円で2014年式、走行距離約1万kmのピカピカの新古車を購入することに成功した。

探したのはモノトーンカラーで、デザインにくせのない車体。カラーはパールホワイト、4WD仕様。

そして、2020年8月某日。村松兄弟ふたりはこのハイゼットジャンボに乗り込み、完成したトラベルハウスを取りに、神戸へ向かった。その帰路で事件は起こった。コロナ渦により、対面で会うことも、ゆっくりと話をすることもあまりできていなかったふたりは、長い道中運転を交代しながら、積もる話に花を咲かせた。ガソリンを入れに寄ったサービスエリアで、久々に肩を並べて食べる食事も楽しかった。気づけば、ガソリンを入れずに、サービスエリアを後にしていた。どんどんと減っていくガスメーター……、そしてついにPM10時次のサービスエリアにたどり着くことなく、ガス欠に。トラベルハウスを乗せたはじめてのドライブは、JAFのお世話になり、とてもとても思い出深い旅路となったのだった。

そんな珍道中を経て、なんとか無事にnoru studioへ到着したnoru car。次回は、デザインと設計のミーティング編!