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2022.05.11

思い出を作り、繋いでいくマイカー

思い出の愛車を写真に残す“クルマの写真館”連載「サヨナラ・マイカー」第3弾。

クルマは移動するだけの手段ではなく、思い出を作る装置でもある。子どもが産まれたことを機に手に入れた三菱・グランディスは、竹本亮太さんにそんなことを気付かせてくれた初めてのマイカーだった。

思い出を写真に。クルマの写真館|連載「サヨナラ・マイカー」 記事一覧

» サヨナラ・マイカー

このクルマを購入したのは、子どもが産まれたこともあって必要になったから、という感じなので正直ちゃんと走ってくれればなんでも良かったんです。買うときも名前すら聞いたことないクルマでしたから。ただ、このクルマに乗って子どもといろんな場所に行っているうちに、自分の幼少期の頃のクルマの思い出も蘇ってきました。僕の父親っていま思えば結構なクルマ好きで、フルカスタムの日産キャラバンとか、ホーミーていうデカいバンなんかに乗っていて、子どもながらに格好いいなあと思ってたんですよね。

今のクルマも町で走ってても誰とも被らないっていう点ではすごく気に入っているんですけど、子どもから見たらやっぱり格好いい! みたいにはあまりならないですよね。今回手放すことにしたのも、じゃっかんガタが来ているというのもあるんですが、自分の子どもにも僕が持っているような格好いいクルマの思い出を作ってあげたいなと思ったからなんです。

父親からの影響はクルマ以外にもあって、この前はじめてオートキャンプに家族で行ったんです。僕自身はハードな登山とかクライミングは昔からやってたんですけど、いわゆるオートキャンプって自主的にはしたことがなくて。その時には父親から20年前以上のキャンプギアを借りたんですが、そういう風に子どもに将来的に引き継げるようなものを選んで行くっていうのはすごく良いなと感じました。いまよく話題にあがる持続可能性のことを考えても、電気自動車を何台も乗り継いでいくよりも、ひとつのクルマを長く乗り続けたほうが良いんじゃないかとも思いますしね。

そういう思いもあって、次は子どもが思い出ごと受け継いでいけるようなクルマを手に入れたいです。だからディーゼルがマスト条件。というのもディーゼルだったらきちんとメンテナンスしていけば30〜40万kmは走りますよね。そうなったら将来的に子どもに引き継いで、初めてのマイカーにできる可能性もある。もちろんその頃にはボロボロでしょうから、1、2年で廃車にしちゃっても全然問題ないんですが、僕がそうだったように、親からなにかしらのこだわりみたいなものもクルマを通じて引き継いでいってくれたら良いなとは思っています。

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【近日リリース!】 思い出の愛車を撮影する「クルマの写真館」、サービス化します

手放してしまう愛車をフォトグラファー村松賢一がnoru studioで記念撮影する特別企画として実施した今回の「サヨナラ・マイカー」企画。読者の方からの反響をいただけたこともあり、noruとしても、移動という行為やクルマという乗り物の転換期である現代において、“愛車”を写真に残すということの意義や面白みを実感できたこともあり。そんなわけで、「クルマの写真館」のサービス化をすすめています。思い出や思い入れのある1台を、とっておきの記念写真に残すサービスとして近日リリース予定!  乞うご期待ください。

photo by Kenichi Muramatsu text by Takashi Sakurai