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家族のような存在だった“ぶるぶる君”
2022.10.31

家族のような存在だった“ぶるぶる君”
by 滝正芳

思い出の愛車を写真に残す“クルマの写真館”連載「サヨナラ・マイカー」第4弾。

滝正芳さんがサヨナラしたのは、黄色のレネゲード。家族にとって初めてのマイカーということもあって愛着はひとしお。長女によって“ぶるぶる君”というニックネームを授けられ、家族みんなに愛された存在だったそうです

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クルマ歴はほとんどないんですよ。20代の頃にカリフォルニアに留学していたんですが、その時に乗っていたジープ・チェロキーXJが初めてのクルマです。それから20年近くたって、今回サヨナラするレネゲードを購入しました。

学生の頃に乗っていたチェロキーに思い入れがあったので、次に買うクルマもジープということは決めていて、理想を言えばショートのラングラーが欲しかったんですが、子どもを後ろに乗せることを考えるとちょっと厳しいかなと思って、レネゲードにしたという感じですね。

レネゲードはフォルムもちょっと丸いし、「カワイイ」って感じで子ども受けは良かったですね。上の子が「ぶるぶる君」って命名して、家族にとってペットのような存在でした。
下の子は「ぶるぶる君」とサヨナラするちょっと前くらいから、悲しいって言って泣いたりしてましたね。

僕自身、小さい頃、母親が乗っていたクルマとサヨナラするときに泣いた思い出があるんですが、子どもにとってクルマというものは、大人が考える以上に愛着がわく存在なんだなと思いました。


今回はちょっと大きな故障が原因で、泣く泣く手放すことにしたんですが、下の子が「次のクルマいらない」って言うくらい悲しそうにしていたんで、同じ黄色のレネゲードのミニカーを買ってミニ・ぶるぶる君として子ども部屋においてあります。今回、サヨナラマイカーで撮影してもらったのも、子どもはもちろん、家族みんなが、すごく思い入れがあるクルマだったという理由が大きいです。

特別なエピソードがあるわけではないんですが、家族にとって初めてのクルマでしたし、日常でそばにいた存在。とくにこのレネゲードはデザイン的にも擬人化しやすい感じもあったんで「ぶるぶる君は、ずっと一緒だぞ」という子ども達へのメッセージということもあって、プロにきちんと撮影してもらいたかったんです。

photo by Kenichi Muramatsu text by Takashi Sakurai