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2022.03.30

お気に入りのスニーカーのように
by 田中大也

思い出の愛車を写真に残す“クルマの写真館”連載「サヨナラ・マイカー」第2弾。

キャンプなどを楽しむ田中大也さんが今回サヨナラするのは初代のマツダMPV。町で見かけて一目惚れしたこのクルマ。田中さんにとっては2台目となるマイカーで、キャンプでも大活躍してくれた。他人ともぜんぜん被らないし、本人的には大満足だったけれど、どうやら周りの反応はイマイチだったようで……。

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もともとスニーカーを集めるのが好きだったんですけど、このクルマを買ったのも気に入ったスニーカーを買う、というのに似た感覚があったかもしれません。なんとなくクルマが欲しいなあと思っていた時期に、このクルマを街で見かけて「あんだアレは!」って。調べたらマツダのMPVの初代で、かなり古いクルマなんですよね。だからなかなか中古も出てこなくて、1年くらいずっと中古車販売サイトを張り込んでたんですよ。そうしたら三重で出てきて、実車も見ずに買いました(笑)。いま考えたらアレですけど、ほんとスニーカーを買う感覚だったんですかね。

ところが、自分ではすごく気に入っているのに、周りの人がぜんぜん褒めてくれない(笑)。ちょっとマニアックなスニーカーだったんでしょうね。でも自分としては、このミニバンのようなSUVのような微妙な佇まいが好きでした。もともと北米市場を狙って作っていたらしくて、そういうアメリカっぽい空気感も気に入っていたんですが、まあトラブルの連続。ドアが開かないなんていうのは可愛いほうで、エンジントラブルで高速で止まった時は焦りました。そして古いクルマだからパーツがぜんぜん無いんですよ。自分で交換パーツをネットでディグっていったら、なんとロシアまで辿り着いちゃいました……。町の修理屋さんに相談したら「やめた方が良い。深追いするとお金の無駄になっちゃうかも」って(笑)。その時は頑張ってディーラーで修理してもらったんですけど、次に故障しちゃったら、またパーツの問題が浮上しそうで、この辺が限界かなと思って手放すことにしました。

この「サヨナラマイカー」の企画に応募したのは、周りにあんまりにも褒めてもらえなかったクルマなんで、最後くらい格好良く撮ってもらいたいなと思ったんです。僕としてはすごく気に入っていたんですが、周りの反応をみてたら、ちょっと自信がなくなってきちゃって(笑)。格好良く撮ってもらって「やっぱり自分は間違ってなかった!」と思いたいんですよ。

今回ご登場いただいた田中さんのサヨナラマイカー。なんと現在〈カー・シティ・ガイド〉で売り出し中とのこと。街に住む人へクルマのある暮らしを提案するメディアで愛車マッチングサービスを展開する注目の〈カー・シティ・ガイド〉、ぜひチェックしてみてください!
@car_city_guide

photo by Kenichi Muramatsu text by Takashi Sakurai