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2024.11.20

一杯のコーヒー。その余裕がスノーライフのクオリティを上げる #クルマとスキーの冬支度 by Natsuo Sato

いよいよ冬の足音が近づき、雪の便りが各地から届くようになってきた。今回は「#クルマとスキーの冬支度」をテーマに、スキーを愛するセレクターたちがウィンターシーズンをより楽しく、快適に過ごせるアイテムを選出。それぞれのギアに対する、お気に入りポイントも語っていただいた。

#クルマとスキーの冬支度 ギア紹介 企画記事一覧

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Recommender:佐藤夏生 (@natsuo310)

ブランドエンジニアリングスタジオ〈EVERY DAY IS THE DAY〉のCEO兼クリエイティブディレクター。休日はキャンプやSUPなどのアウトドアに興じることも多く、特にウィンターシーズンは6年前からはじめたスキーに心酔。雪を求めて家族や仲間と山へ向かう日々を送る。仕事でもプライベートでも仲間と美味しいコーヒーを飲む時間を大切にしており、薪ストーブをインストールしたディフェンダーで移動しては、行く先々で特別な1杯を楽しんでいる。


丸山珈琲の特別ブレンドを雪山でも

1991年創業、軽井沢からスペシャルティコーヒーの魅力を発信し続けている〈丸山珈琲〉。THE DAYブレンドは、オーナーの丸山健太郎さんに佐藤さんが直接オーダーして作られた特別なブレンドで、〈EVERY DAY IS THE DAY〉やその関係者だけが味わえる、一般には出回らない希少な代物だ。この特注ブレンドは2013年に誕生し、ライフスタイルや好みの変化に合わせて配合をリニューアル。現在はTHE DAY ブレンド 2017が定番となっている。

「お菓子をつまみながらゆっくりとコーヒーを飲むことは、その日の行動や人との繋がりをより豊かにする。そんな信念を持つ僕が『私をスキーに連れてって』を観た時に共感したのは、スキーに出かける前に六本木の明治屋で買い出しをするシーン。一瞬だけの描写なのですが、スキーに行く時になにか美味しいものを持っていこうって気持ちは、僕のコーヒーに対する想いと重なるような気がしたんですよね。

雪山を滑り終えたあと、景色を眺めながら美味しいコーヒーを飲む。僕にとってはこれもかけがえのないスキーの楽しみなんです」

丸山珈琲 THE DAY ブレンド/丸山珈琲

■商品詳細
非売品


セッションに欠かせないコーヒーメーカー

1941年に誕生した〈CHEMEX〉のコーヒーメーカーは、ミッドセンチュリーの名作デザインのひとつ。ドリッパーとポットが一体となった合理的な構造で、MoMAのパーマネントコレクションにも認定されている。

「〈CHEMEX〉はハンドドリップする時に使っていて、家ではこの大きいサイズのモノを愛用中。僕がスキーの際に持っていくのは3カップサイズで、コーヒーセットを収納する箱の中に常備しているんです。通常だとグリップの部分にはウッドが使われているのですが、洗うときにそれを外すのが大変なので、〈i ro se〉というブランドが出しているレザーハンドルでカスタム。僕はわざとワンサイズ大きいタイプを取り付けています。

スキーの世界だとセッションって一緒に滑ることを指しますけど、僕にとってはコーヒーを一緒に飲むこともセッションのひとつ。常にコーヒー担当を僕がかって出て、スキーの先輩たちと雪山で遊ぶときに、感謝とリスペクトを込めて丁寧にハンドドリップしています」

ハンドブロウ 3カップ/CHEMEX

■商品詳細
価格:¥7,700 (税込)
商品URL:chemex.obt-japan.co.jp/product

 

ケメックス コーヒーメーカー用レザーネック 6カップ用/i ro se

■商品詳細
価格:¥6,050 (税込)
商品URL:freedesign.jp/view/item/000000002110


アフタースキーもVECTOR GLIDE

同ブランドの板のように、シンプルな佇まいと確かな品質が魅力の〈VECTOR GLIDE〉のマグカップ。波佐見焼のテーブルウェアブランド〈Common〉製のミニマルなマグで、250mlという容量はコーヒーブレイクにもちょうどよい。多くのスキーヤー・スノーボーダーから愛されている純国産スノーブランドの志は、このようなアクセサリー類からも感じられる。

「〈VECTOR GLIDE〉はスキー好きのための真のプレミアムブランド。スキーをはじめた時からここの板を使っているファンの1人で、性能やデザインが秀逸なのはもちろん、創立者・秋庭さんのスキーに対する哲学に感銘を受けています。このマグは秋庭さんから頂いたモノで、スキーの後はこのマグでコーヒーブレイクを楽しんでいるんです」

VECTOR GLIDE MUG/VECTOR GLIDE

■商品詳細
価格:¥1,650 (税込)


沢な気分になれる、マイベスト行動食

英国・スコットランドのスカッチキャンディーを参考に開発された、濃厚なバターのコクと芳醇な香りのキャンディー。明治が1971年に発売し永きに渡り愛されてきたが、2024年3月に出荷を終了した。現在は明治の子会社である道南食品により『北海道 生食感チェルシーバタースカッチ味』という名前の生キャラメルが登場、北海道限定のお土産商品として発売されているが、オリジナルの復活を望むファンも少なくない。

「僕はチェルシーのバタースカッチ味が大好きで、昔からよく買っていたんです。でも、終売になるというニュースを見てビックリ。これはマズイとまとめ買いをして、備蓄したモノを大切に舐めているんです。

バックカントリーに行く時に行動食の一つとして持っていきますが、チェルシーは1粒で極上のスイーツ感があって最高。春スキーにいった際に仲間にお裾分けをしたところ、終売の名残惜しさからかノスタルジーからか、みんな大喜びしてくれました(笑)」

チェルシー バタースカッチ/明治

■商品詳細
販売終了
商品URL:meiji.co.jp/products/candy_gum/00879


一生モノのハンドメイドニットキャップ

北海道音更町発の〈otopukeknit〉は、清瀬惠子さんが一点づつ手作業で作品を作り上げていくハンドメイドニットブランド。北海道の大地で育った羊の毛を自ら紡ぎ、そして素朴でぬくもりのある帽子や手袋、靴下を編んでいくため、生産量は少量。展示販売イベントや受注会でオーダーでのみ購入できる。

「〈otopukeknit〉は清瀬恵子さんが1人でやっている小さなブランド。このニットキャップはオーダー会で僕の頭を採寸して作ってくれたモノで、僕の頭に合うように大きさや丈を調整して作ってくれました。修理だけでなく調整もしてくれるので、一生使いたい、付き合っていきたいと思っています。

作品やモノの見せ方、考え方にも恵子さんの美意識の高さが感じられますし、僕が思うに〈otopukeknit〉はDtoCブランドの理想形。“Buyではなく、Vote”、こういうブランドに投票する感覚でモノを買うことで、どんどん面白い世界が広がっていくんだろうなと、希望を感じずにはいられません」

ニットキャップ/otopukeknit

■商品詳細
商品URL:otopukeknit.com

Photo by Shinji Yagi / text by Junpei Suzuki / Edit by Ryo Muramatsu