郡山と宇都宮でインテリアショップ〈vanilla（バニラ）〉を営む田中昇さん。ミッドセンチュリー家具や北欧デザインのヴィンテージも扱う。2拠点の中間にスタッフが集うオフィスを探していたところ、思ってもみなかった建築と出会った。
栃木県の那須高原に建つ宮脇檀設計〈VILLA福村〉だ。竣工からおよそ半世紀。売りに出されていたヴィラ福村に一目惚れした田中さんは、オーナーの福村さんにも会いに行き、宮脇檀のこと、建物に込められた想いを継承することを決意した。“特徴的な形ですが、譲り受けた時は2階部分がたわんで、つっかえ棒がしてありました（笑）。改修工事はオリジナルに忠実に行い、構造的な補強も施しました。ただ別荘建築なので、オフィス棟は敷地内に新築しました”。
そしてこの場所は現在〈offesso（オフェッソ：オフィスと別荘の融合）〉という名が与えられ、建築に引き寄せられる人々のサードプレイスにもなった。不定期だが一般公開も行っている。田中さんは〈VILLA福村〉を次の世代へ、きちんとしたカタチで引き継ぐのが自分の役目だと語る。ご自身が取り扱うヴィンテージ家具と同様、愛情を持って使うからこそ、想いが宿り価値が引き継がれるのだ。
そんな田中さんの愛車は「TOYOTAランドクルーザー プラド」。長年乗り続けた80系ランドクルーザーから乗り換えた。“ルーフキャリアと牽引車を使って、ゆくゆくは家具の移動販売と啓蒙活動をしたいと思っています”と、新たな計画を打ち明けてくれた。頼れる愛車はその相棒という訳だ。