金沢で江戸時代から九谷焼の割烹食器を業とし11代、曽祖父より京都に拠点を移してから4代目として陶業を継いだ、陶芸作家の川尻潤さん。現在は、現代美術を中心にアカデミックなオブジェや、茶器、花器など機能的な作品も創出している。趣味多彩でクルマの他にバイクにも目がなく、友人に誘われて観戦した鈴鹿サーキットのレースを機に、自らも走行会に出場し、楽しさゆえレース出場を果たすことになったというほどの乗り物好き。現在所有するクルマは7台で、15年前にオークションで10万円で購入したという「MG-B」はスーパーに行ったり作品を運んだりと、日常使いなのだそう。“大きくて背の高い花器などはこの「MG-B」があると大変便利”と、茶目っけ含み話してくれた。“何がいいかって故障しても英国製はどんな部品も必ずある”と旧いクルマが抱える部品問題に干渉しないのも長年乗り続けられる理由だそう。昭和感漂うラバーバンパー、ボンネットから覗く地面、唸るエンジン音。プリミティブなのに実用的なところに川尻さんのアイデンティティも共鳴するのかもしれない。ただ、雨漏りとまれにエンストが生じるようだが、“もう慣れたもんで、何も言わず家内が後ろから推してくれる”と、何度も路肩に停車しては2人で笑い話にしてきたようだ。すこし手のかかる可愛くてしょうがない我が子のような存在。ちょっとしたトラブルこそ、後の小話に花を咲かせてくれる、愛おしい魅力なのだろう。
#127川尻 潤
age58
出身地
京都市
現所在地
京都市
職業/肩書き
陶芸家
車種
MG-B 1979年式
カスタマイズ有無
購入時より、キャブレターとマフラーがかわってました。
月間走行距離
約50km
クルマ遍歴
ISUZU ジェミニ (1983年〜1987年) →
OPEL マンタ (1988年〜現在) →
MGB(2006年〜現在) →
クルマに求める要素(%)
普段、どのような用途でクルマを使っていますか?
家内とドライブ。
このクルマの好きなところ
すべてがプリミティブで、操縦がダイレクトなところ。
ひとつ改善できるとしたら
雨漏り。笑
憧れのクルマは
1983ポルシェ911SC RS
あなたにとってクルマとは
伴侶。恋人。子供。
Photo by Yuta Okuyama