バンキャンプという遊び方を発信する〈VANCAMP JAPAN〉代表の小濵潤平さんの愛車は、昔懐かしい「MITSUBISHI デリカ スペースギア」。SNSで知った海外のバンライフに興味をもち、車中泊仕様のクルマを作ろうと、ジムニーからわざわざ乗り換えたものだ。後部座席を取り払い、天井と床を板張りに。仕上げ用ではない野地板を使って、あえてラフに仕上げているのがポイントだ。湿度や乾燥で徐々にたわんでくるのだが、これがいい味になるのだ。また、家族も普段使いするクルマであることから、日常から趣味の世界まで、スムーズにシーンを切り替えられるレイアウトを意識した。
テントを担いで山に登るなど、アウトドア・アクティビティが好きで、キャンプ歴も15年を超えるという小濵さん。かつて、クルマは『アウトドアという遊び場に連れていってくれる道具』だったというが、いまや遊びの主役に取って代わった。キャンプギアを選ぶ感覚で、目的の場所や遊びの用途によってしつらいを変える。こうしてバンキャンプにどっぷりハマって、いちばん変わったのは『自然への意識』なんだとか。
“これまではテント泊愛好家だったこともあり、テントよりも自然環境に大きなインパクトを与えるクルマをフィールドに乗り入れることに対して、ものすごくセンシティブになりました。周囲に迷惑をかけていないか、自然に過剰な負荷をかけていないか。だって、草木を踏み潰し、排気ガスを撒き散らしながら、エンジン音を立てて走行するわけですから。ゴミを持ち込まない、アイドリングはしないのは当然として、来る前よりもっときれいにして帰ることを常に心がけています”
自然とクルマの組み合わせが、無上の喜びをもたらしてくれるというバンキャンプ。まだ黎明期にある遊びだからこそ、コミュニティ全体でマナーやルールを守り、自然に配慮しながら遊び続けていきたい。10年後、20年後のバンキャンプ・シーンを見据える小濵さんは、そんな風に考えている。
#150小濵潤平
age41
出身地
鹿児島県
現所在地
神奈川県
職業/肩書き
〈VANCAMP JAPAN〉代表
SNS/HP
車種
MITSUBISHI デリカ スペースギア 2001年式
カスタマイズ有無
外装はオリジナルのまま、ノーマル
内装のDIYのみ、車中泊仕様にカスタム
月間走行距離
約300~1,000km
クルマ遍歴
NISSAN ラシーン (2012年~2016年)→
SUZUKI ジムニー (2016年~2018年)→
MITSUBISHI デリカ (2018年~)
クルマに求める要素(%)
普段、どのような用途でクルマを 使っていますか?
日常的に買い物や家族とのお出かけに使用しながら、キャンプやイベント出店などにも。
イベントではクルマの展示もしながら、ワークショップを開くこともあるので、什器や商材を積んでも寝床を確保できるくらい積載量の大きいこのクルマはとても優秀です。
このクルマの好きなところ
人とかぶらないデザインというのが最高。
ロング車でありながら車幅は狭いので意外と狭い道にも難なく入っていけるのは街乗りにも都合が良く気に入っています。古いクルマなのでパワーウィンドウはついていませんが、エンジンをかけずとも窓の開閉ができるというのは車中泊向きで好きなところ。
ひとつ改善できるとしたら
ルーフキャリアを取り付けたい!
でも近所の商業施設はもちろん、旅先での立体駐車場に入れなくなる問題があるのでふみきれずにいます。
憧れのクルマは
やっぱりVolkswagen ヴァナゴンT3 ウェストファリア仕様。
でも価格や維持費、故障リスクを考えると、自分の中では現実的ではないので購入することは無いと思う。
あなたにとってクルマとは
単なる『道具』でしかないけど、それは仕事道具でもあり遊び道具でもあり、これまでと同様にこの先も日常に様々な選択肢を与えてくれる『特別な道具』でもあると考えています。
photo by Kenichi Muramatsu / text by Ryoko Kuraishi