浜名湖の湖畔に昨年オープンした〈LAKESIDE ANTIQUE MALL〉のオーナーである石本博樹さん。1970年代に建てられた繊維工場を改装した店舗には、8店舗+バイクショップが集まり、“モール”として運営することで多種多様な品が揃う。唯一無二の開放的なロケーションと、日本、アメリカ、イギリス、オランダ、ドイツなどから集めた選りすぐりのアンティークを求めて、特に週末は県外からたくさんの人が集まるという。以前は古着屋を営んでいた石本さん。買い付けでアメリカに通ううちに、各地にあるアンティークショップのバリエーションの豊かさ、その文化に興味を持ち、その思いが〈LAKESIDE ANTIQUE MALL〉へと繋がった。

このお店の“看板”であり“趣味そのもの”だという愛車が「FORD エコノライン」。石本さんと同い年の65年生まれだ。３年ほど探していたところ自身が出店していたアメ車のイベントでたまたま見つけ、状態と価格のバランスの良さに“いくしかない”と即決。4年目の現在は、ブレーキの効きもよくない、エアコンも効かない、など色々と不調がある。けれども“機能は二の次、最先端はいらない”と言い切る石本さん。パフォーマンスが重視される現代にあって、“心が満たされる”クルマに乗りたいと思う気持ち。その時代にしか生まれないものづくりの姿勢や味わいに魅せられ、それを生業としてきた人生を凝縮したような1台である。