大衆娯楽としてのクラシック音楽の復興を目指す作曲家、そしてクラリネット奏者やベーシストとしても活躍する内田英介さん。幼い頃からクラシック音楽に親しみ、名門バークリー音楽大学の作曲科を卒業。ジャズ和声や東南アジアの音階をクラシックの和声法に融合させた、独自の音使いによる“アシッド・クラシック”というスタイルを提唱している。
そんな内田さんにとってのクルマは、昔から憧れの対象だったという。“30年ほど前に購入した「CITROEN 2CV」との出会いが、僕のクルマ人生を変えた気がしています。昔からフランスの芸術文化に関心を持っていたこともあり、その個性的な造形美やルックスに一目惚れしました。それからシトロエンのことを知っていくなかで、『空間を時間で支配する』という創設者のアンドレ・シトロエンのクルマに対する哲学に触れ、今なおその魅力に取り憑かれているんです”。
過去に10台以上のクルマを乗り継いできた内田さん。そのなかでも2CVは4度も乗り換えるほど特別な思い入れがある。その根拠は、決してかつての憧れだけではなかった。“現在の2CVに乗り換えることになったきっかけが、先代の2CVでの事故だったんです。廃車になってしまったその日に仲の良い車屋さんから連絡があり、偶然2CVが入荷したと連絡があったんです。市場での個体数も限られた車種だったので、大袈裟じゃなく運命だと感じたんです”
まるでドラマのようなストーリーによって、再度手元に戻ってきた2CV。約20年間放置された個体ながら、現在までの10年間ほど少しずつレストアしながら乗っているのだそう。“メンテナンスは時間もお金もかかりますし、現在では廃盤となってしまった部品を探すのも一苦労。でもその手間が愛着に変わっていくんですよね”。そう笑顔で語る内田さんは、アンドレ・シトロエンが遺した言葉の本意を探すために今日もまた愛車の2CVを走らせているのだろう。
#242内田英介
age52
出身地
東京都 三鷹市
現所在地
東京都 東大和市
職業/肩書き
作曲家
車種
シトロエン 2CV 1986年式
カスタマイズ有無
チャールストンを長年掛けてクラブ仕様に改造している。
室内灯のスイッチが折れたので、紐で引っ張るスイッチに変更。
現在残っているオリジナルパーツはほぼ無い。
(フレームとボディとクランクケース位だと思われる)
月間走行距離
約1,000km
クルマ遍歴
TOYOTA KP61スターレット →
CITROEN 2CV(1台目) →
CITROEN BX(1台目) →
CITROEN 2CV(2台目) →
CITROEN BX(2台目) →
CITROEN 2CV(3台目) →
Renault 5 →
CITROEN BX(3台目) →
CITROEN 2CV(4台目) →
Renault コカングー(1台目) →
CITROEN C5 →
Renault コカングー(2台目) →
CITROEN C3(1台目) →
CITROEN C4ピカソ →
CITROEN C3(2台目)
クルマに求める要素(%)
普段、どのような用途でクルマを使っていますか?
自宅からアトリエまでの通勤、買い物、妻の送り迎えなど
キャンプ・旅行など
フランス車イベント参加
このクルマの好きなところ
人間へのおもてなし機能・便利機能がほぼ皆無。
その割に乗り心地だけはやたら良い。
「文明ってこの程度で充分なんだよ」って思える、心地よい不便さ。
ひとつ改善できるとしたら
高速走行時にもう少しだけ静かになって欲しい。
憧れのクルマは
2CV
あなたにとってクルマとは
空間を時間で支配する物。
photo by taro ikeda / text by Yuho Nomura















