「この景色を見たい」を旅の主役に
吉岡 太郎/デザイナー・カメラマン
area:北海道
「こんな景気が見たい」、「こんなことをしてみたい」という願いをフレキシブルに叶えてくれるのがクルマ旅のいいところ。それがキャンピングカーであればなおのこと。気持ちの赴くまま、好きな場所に身を置いて、快適に一夜を過ごすことが可能になる。
「移動するホテル」をコンセプトに、オリジナルキャンピングカーの開発とレンタルサービスを手がける<Moving Inn>のディレクターを昨年まで務めていた吉岡さんは、拠点の北海道十勝エリアからキャンプでもリゾートでもない、新しい旅のカタチを提案していたひとりだ。現在は千葉に暮らし、小山薫堂が代表を務めるオレンジ・アンド・パートナーズに勤めている。
かつてキャンピングカーで生活をしていたこともあるという吉岡さんが挙げるクルマ旅のメリットとは、「トランクの許す限り、荷物を持っていけること」、「時刻表に縛られずに行動できること」、「安心して眠れること」。
「”ビールサーバー持って行こう! ”とか、”テントサウナ持って行って川に飛び込もう!”など、好きなものをたくさん積んで、好きな時間に好きな場所へ行けるのがクルマ旅の醍醐味ですよね。また、手付かずの美しい自然を追求すれば野生動物はつきものですが、クルマなら外の音も気にせず安心して眠ることもできる。クルマがホテルや旅館に並ぶ、宿泊場所の選択肢のひとつになったらいいなと思っています」

北海道 広尾郡
01.浜大樹
川と海と湿原を見下ろす絶景へ
当縁川(とうべりがわ)の河口部で、崖の下には海、その反対側には湿原が広がる、
北海道ならではの絶景です。
そもそもキャンプ場ではないためトイレやシャワーなどの設備はありませんが、その分原始的な過ごし方が面白かったりします。そして設備がないことなどどうでもよくなるほど、とにかく景色が良くて気持ちがいい場所です。快晴の日には空がオレンジ、ピンク、紫のグラデーションに染まる夕焼け、夜には月明かりが海を照らすことで海上に道があるように見える「月の道」が見られることも。
自然は日々形を変えていて、今日と同じ景色はないということ、それでも自然は美しいということを感じられる場所です。
- 住所
- 〒089-2116 北海道広尾郡大樹町
北海道 川上郡
02.RECAMP砂湯(砂湯キャンプ場)
天然風呂を掘り当てる!? 道内屈指のキャンプ場
国内最大のカルデラ湖である屈斜路湖(くっしゃろこ)のほとりにあるキャンプ場。湖の透明度の高さも魅力なのですが、ここの目玉は「地面を掘ると温泉が出てくる」こと。(温度は場所と掘る深さによりますが、だいたい40~50度)ショベルはキャンプ場でレンタルできて、しっかりと掘れば大人も入れるサイズの寝風呂に。ここにテントサウナを持参すれば、サウナ→水風呂(屈斜路湖)→外気浴が楽しめます。
- 住所
- 〒088-3331 北海道川上郡弟子屈町美留和
- URL
- @ recampsunayu
出典元:Instagram @recampsunayu
北海道 河東郡
03.ナイタイ高原牧場
日本一広い公共の牧場
「北海道らしい景色」と聞いて、牧場をイメージする方は多いと思いますが、実際のところ牧場は衛生管理のためにとてもデリケートな場所で、人(特にクルマ)の出入りをよしとしない所が多いです。そんな中ここは、牧場をクルマで横断しているような気分になれる、日本一広い公共牧場(約1700ha)。道路の果てには「ナイタイテラス」というカフェがあり、コーヒーや地元の牛乳を使ったソフトクリーム、ハンバーガーなどの飲食が楽しめます。キャンプできる場所ではないですが、クルマで走るという行為自体が楽しいと思えるドライブコースです。
- 住所
- 〒080-1407 北海道河東郡上士幌町上音更
出典元:HP kamishihoro.jp/sp/naitai
北海道 広尾郡
04.光地園
2万坪の原生林が広がる
トドマツ、カラマツなどが生い茂る山です。ヌビナイ川という、飲みたくなるほど綺麗なエメラルドグリーンの清流があり、上流域は日高山脈襟裳国定公園に指定されています。沢登りやカヌー、釣りなどを楽しむ人からも評判の高いロケーションです。エゾジカやキタキツネ、ヒグマなどの野生動物も生息しているので、マナー以前に、装備やゴミの処理などに注意も必要ですが、動物の住処にお邪魔している側だというマインドになります。キャンプの楽しさだけではなく、自然への畏敬の念のようなものが生まれる場所です。
- 住所
- 〒089-2271 北海道広尾郡大樹町
北海道 厚岸郡
05.厚岸漁業共同組合直売店
獲れたての海産物を豊富に取り揃える直売店
エーウロコ牡蠣の名産地、厚岸町(あっけしちょう)の漁協による直売店で、生簀に入った牡蠣や帆立など鮮度抜群の魚介類をその場で楽しめます。(しかも1個100円程度から購入可能)厚岸はホテルがほとんどないエリアですが、海鮮がとにかく美味しい場所です。旅する時は宿やアクセスの兼ね合いを考えて何かを妥協しがちですが、それに囚われず、たったひとつの目的のため自由に旅できるのもキャンプ・車中泊の魅力だと思います。
- 住所
- 〒088-1128 北海道厚岸郡厚岸町港町5丁目3番地
- 定休日
- 毎週火曜日,および年始
- URL
- a-uroko.or.jp
- @a_uroko
出典元:Instagram @a_uroko

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吉岡 太郎 (よしおかたろう)
デザイナー・カメラマン
Instagram: @taroyoshioka