travel

2023.03.01

#19 カメラが手放せない魚沼の絶景を巡るクルマ旅
by 酒井大

ガイドブックやメディアに載っていない自分だけのロードマップを作る旅。この連載は、そんな“自分らしいクルマ旅”のススメを、多拠点生活をおくる人や、地方在住者、移動が日常にある人など、日本のさまざまな土地で根を下ろす人々に聞くもの。今回は新潟の旅を、カメラマンの酒井大さんが紹介してくれる。

ガイドブックには載っていない旅のススメ| 連載「自分らしいクルマ旅」記事一覧

» 自分らしいクルマ旅

刻一刻と変化する美しい風景

酒井大/カメラマン

area:新潟県

新潟県魚沼市出身のカメラマン酒井大さんは、地元にUターン後、フリーランスカメラマン「ヒロスイ写真館」として独立、現在は魚沼エリアを拠点として活動している。日々の仕事は軽バンに機材を積み、ひとりクルマ移動。その助手席にはいつもカメラがある。

「魚沼エリアはただ移動することを許してくれません。目に入る諸々が美しすぎて、撮影せずにはいられないから。季節・天候・時間問わず千変万化でもてなしてくるので、素通りすることが敵わない強制撮影エリアなのです」

この地で暮らす酒井さんにとって、それらは生活の風景だ。それでも日々ため息が出る瞬間があるのだという。

「仕事の移動中という日常の風景ですが、その日常は変化し続け、私を一喜一憂させてくれます。私のように計画性に乏しく思い付きで行動を変える人種には、「やっぱこっち!」ができる自由なクルマは最高ですね」

そんな魚沼愛が溢れ出る酒井さんが今回紹介してくれたのは、四季を巡って自然が織りなす絶景を望む場所。どの季節をとってもその季節ならではの楽しみ方があるという。

「ご紹介したスポットはもちろんなのですが、そこに辿り着く道中もずっと素晴らしいです。眺める、見つめる、む、チルアウト系が好きな人はぜひ行ってみてください。もちろん写真好きな人には超オススメです。きっとカメラが手放せないと思います」

 

新潟県魚沼市

01.福山峠のふるさと広場

豪雪地ならではの絶景、雪上桜を訪ねて

日本有数の豪雪地域である魚沼では、深く積もった雪が溶けきる前に春が訪れ、4月下旬には雪上に咲く桜を見ることができます。雪国でも珍しい、見送る冬と、迎える春が交錯する味わい深い光景です。

住所
〒946-0207 新潟県魚沼市福山新田1326
URL
toge-no-furusatohiroba.com
Facebook
facebook.com/profile

出典元:facebook.com/profile

 

新潟県魚沼市

02.魚沼エリア全域

山間の美しい風景が映り込む水鏡

5月〜6月頃、魚沼産コシヒカリを育む田んぼに水が満たされ、地域全体に大きな水鏡が広がります。土色だった大地に、空の色が映し出される劇的な季節です。

住所
新潟県魚沼市

 

新潟県魚沼市

03.中荒沢の万年雪

季節が交錯する異空間、日本一容易に行ける万年雪

銀山平キャンプ場内の登山口の駐車場から徒歩30~40分で辿り着くことができる万年雪。7月〜8月、夏の強い日差しを受けながら雪上を歩くことができます。足元には雪解け水の流れる沢と春の山野草、見上げると飛び交うトンボ。冬春夏が混在する異空間を是非体感してほしいです。

住所
魚沼市銀山平

 

新潟県魚沼市

04.枝折峠

雲海が滝のように流れ落ちるビュースポット

標高1065mの国道352号沿いにある峠。冬期(概ね12月~5月)は積雪のため全面通行止となっています。この峠で9月〜11月の早朝に見られるのが、流れ落ちる雲海「滝雲」です。湿度と寒暖差と晴天、気象条件が揃った時にだけ出会える現象です。クルマを停めて、すぐ目の前に広がる雲の滝壺は刻々とうねり、形を変えて流れていきます。朝日を浴びて雲の表面が黄金色に輝き、やがて気温が上がるとともに霧散していく。鑑賞し終えて帰路に着く時、ごく自然に「ありがとうございました。」と口に出していました。

住所
新潟県魚沼市灰の又~銀山平

 

新潟県魚沼市

05.須原スキー場

眺望最高の地域密着系スキー場

湯沢、南魚沼、魚沼と沢山のスキー場に囲まれている魚沼。どのスキー場もそれぞれの楽しさがあるのですが、中小規模のローカルスキー場はまさに穴場。リフト券や食事も安く、地元の利用者メインなので適度に空いていてのんびり過ごすのに最適です。特にオススメの須原スキー場は板を履かなくても山頂までのリフトが利用できて、最高の眺望を漫喫できます。

住所
〒946-0216 新潟県魚沼市須原1846-13
URL
suhara-ski.com

 

酒井大 (さかいひろし)
2003年、日本大学芸術学部写真学科を卒業後、都内でカメラマンアシスタントを経て、地元魚沼にUターン。フリーランスカメラマン、「ヒロスイ写真館」として独立し、現在は南魚沼を拠点に、魚沼地域の人と自然の魅力を写真を通して発信している。
HP:https://hirosui.camera