セレクターを変えながらお届けしている連載企画「#これからの時代に役立つクルマ旅ギア紹介」。今回愛用品を紹介してくれたのは、プロダクトデザイナーの熊野亘さん。“実生活を豊かにするデザイン”をフィロソフィーとする熊野さんがデザインに携わり、そして実際に日常生活で使用しているモノをピックアップし、作り手・使い手としての想いを伺った。

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select by スタイリスト 平健一
select by noru journnal編集長 村松亮
select by バンライファー小濱潤平
select by neru designworksデザイナー neru
select by インスタグラマー YURIE
select by キャンパー issei
select by 建築家 岡田宰
select by クリエイティブ・ディレクター 田中嵐洋
select by イラストレーター オカタオカ
select by Judd.代表 清水隆司
select by 焚き火マイスター 猪野正哉
select by プロダクトデザイナー 熊野亘

週の前半は武蔵野美術大学の教壇に立つために、月曜の朝に2時間半かけて東京へ移動し、水曜日の夜にまた長野県御代田の自宅に向かうという、2拠点生活を送る熊野さん。生活の足となっている95年式ランドクルーザー・プラドとの移動時間は、彼にとって思索に耽る大切な時間。2つの拠点を行き来する生活から、心地よいデザインが生まれている。

小さな変化が生み出した、新たな機能性

〈THE NORTH FACE〉が2022年秋より展開している「ラウンドアーム」シリーズは、ミニマルなデザインで仕上げたキャンプ用の食器。素材はメンテナンス性に優れ、高い剛性を誇るステンレス鋼。縁の一箇所に注ぎ口のようなラウンドがついているのが特徴で、この部分は持ち手として活用できたり、スタッキング時にずらして重ねることで、乾燥を促すことも可能にしている。またボウルやプレートの底面は、少し盛り上がる形状にすることで外側に液体が溜まりやすくなっており、スープが掬いやすくなっているのも特筆すべき点だ。

「数年前から、TNFが展開するキャンプギアのデザインも手がけていて、この歪な形状をした食器も僕のアイデアを形にしてもたったモノなんです。この手の器は真円になっているのが普通ですが、この製品には一箇所に注ぎ口のような形状が取り入れました。これによるメリットは色々あるのですが、液体が注ぎやすいくぼみが、同じサイズのお皿を重ねたときには隙間を生んでくれるため水切れが良く乾きやすいという利点にもなるんです。ここは個人的にもお気に入りポイント。僕はそれぞれ3,4枚ずつ持っていて、キャンプだけじゃなく自宅でも食器の一員としてガンガン使ってます。それぞれスッキリとスタッキングできて嵩張らないのも魅力ですね。 (熊野亘)」