セレクターを変えながらお届けしている連載企画「#これからの時代に役立つクルマ旅ギア紹介」。今回愛用品を紹介してくれたのは、プロダクトデザイナーの熊野亘さん。“実生活を豊かにするデザイン”をフィロソフィーとする熊野さんがデザインに携わり、そして実際に日常生活で使用しているモノをピックアップし、作り手・使い手としての想いを伺った。

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select by スタイリスト 平健一
select by noru journnal編集長 村松亮
select by バンライファー小濱潤平
select by neru designworksデザイナー neru
select by インスタグラマー YURIE
select by キャンパー issei
select by 建築家 岡田宰
select by クリエイティブ・ディレクター 田中嵐洋
select by イラストレーター オカタオカ
select by Judd.代表 清水隆司
select by 焚き火マイスター 猪野正哉
select by プロダクトデザイナー 熊野亘

週の前半は武蔵野美術大学の教壇に立つために、月曜の朝に2時間半かけて東京へ移動し、水曜日の夜にまた長野県御代田の自宅に向かうという、2拠点生活を送る熊野さん。生活の足となっている95年式ランドクルーザー・プラドとの移動時間は、彼にとって思索に耽る大切な時間。2つの拠点を行き来する生活から、心地よいデザインが生まれている。

細長いノートが記憶とアイデアを繋ぐ

見ているだけで笑顔になれるユニークな玩具から、実用的でスタイリッシュな生活用品まで、幅広い商品を展開しているNY発の雑貨ブランド〈KIKKERLAND〉。バラエティに富んだ製品は雑貨店だけでなく、書店やミュージアム、セレクトショップや各種専門店でも目にすることができるが、中でもデザイン性と機能性を兼ね備えたステイショナリーは、日本でも根強い人気がある。

見慣れない縦長シェイプが特徴の「KEYBOARD NOTEBOOK」は、同社が2018年発売したPC作業者向けのノート。デスク上の貴重なスペースを無駄にせず、素早くメモを取るのに最適な設計を追求したサイズ感で、リング綴じ仕様。端まで書き込みやすく、文章や図面を描きやすい方眼ノートになっている。72ページという厚みも、キーボードとの間にギャップが生じにくい絶妙なバランスだ。

「〈KIKKERLAND〉からプロダクト作りをしようと声をかけられた際、こんなのがあったらいいなという要望を伝えて、実際に製品化したのがこの細長いノートでした。僕は自分で独創的なデザインを思いつくというよりも、モノをより実用的なモノにするにはどうしたらよいだろうと考えていくタイプなんですよね。

僕自身、アイデアやメモは手書きして、デザインもノートに走り書きすることが多いので、この製品は僕のために作ったようなもの(笑)。自分とパソコンの間に置いても邪魔にならないサイズ感で最高なのですが、残念ながら廃盤になっちゃって。個人的に再販希望です。(熊野亘)」