
ZINE『PEOPLE 30人のヒトとクルマ』
30冊パッケージの完全版/10冊パッケージの2種を発売
noru journal創刊から続く人気連載「people」は、ヒトとクルマとの関係性を映し出すスナップ企画です。現在までに200人・200車以上に登場いただいたこの企画から、住まう場所、車種、職業やライフスタイルまでばらばらな、意図的に脈絡のない30名を選出。1人1冊ずつのZINEを束ねて販売します。30冊パッケージの完全版と10冊パッケージの2種類からお選びいただけます。リソグラフによる印刷から、丁合、断裁、製本まで編集部員たちが手を動かし、製作したので限られた数量での販売となりますが、ぜひたくさんの方々にお手に取っていただけたら嬉しいです。
【仕様】
判型:A6サイズ
頁数(1冊):30P
▲PEOPLE 30人のクルマと暮らし【30人(冊)パッケージ完全版(ポストカード付)】¥4,950 (税込)
※販売数:60セット
ご購入は→こちらをクリック
2025年4月11日~6月11日までにご購入いただくと、オリジナルポスター(簡易版)のプレゼントの特典も。お見逃しなく!
▲2025年6月11日までのご購入者限定特典:オリジナルポスター(簡易版) A3サイズ
※カラーは一例です。特典のポスターはカラーはお選びいただけません。ランダムになります
▲PEOPLE 30人のクルマと暮らし 【10人(冊)パッケージ】¥2,750 (税込)
※販売数:30セット
ご購入は→こちらをクリック

製作期間は1年以上。
オンラインメディアだからこそ、アナログを追求したZINE
今回発売する『PEOPLE 30人のヒトとクルマ』。実は、プロジェクトスタートから1年以上も製作に時間をかけ、完成しました。なぜか? それは、(編集部が少数精鋭ということもありますが)とっても手間をかけたから。1冊1冊、すべての工程において自分たちの手を動かし、時間をかけた渾身のZINE。どんな思いで、どのように完成したのか、ここで少しお伝えしたいと思います。
「“どこにでも走っているようなクルマなので、取材だなんて恐れ多くて・・・ごめんなさい”。200名以上の愛車スナップの撮影依頼をしていると、時折こんな返答をいただくことがあります。WEBに掲載され、不特定多数の目に触れるのだから頷ける回答ですよね。でも、僕らはオファーするときに、誰もが羨むスーパーカーだとか、希少価値の高い旧車だとかを期待しているわけではないんです。peopleの連載にとって、どんなクルマであるか、は二の次。むしろ、その人がどんな暮らしをしていて、どんな趣味趣向の持ち主なのか、つまり、どんな風にそのクルマに乗っているかこそが大事なんです。どんなクルマを乗っているか、その下調べをすることなく、オファーすることもあるくらい(笑)。だからZINEにまとめるときも、クルマ・ファーストで選ぶことはなく、僕らが街で見かけるようなクルマを選びながら、物語に偏りがないように30人を選ばせてもらいました。日々、すれ違っているあのクルマにはどんな人が乗っているのだろうか、そんな妄想に少しでも答えられたらいいなと思います」(村松)
そうしてプロジェクトは始動し、まずはどのような内容、判型、仕様にするかを決定します。我々が通っている印刷製本所NEUTRAL COLORS(通称{NC})の代表である加藤直徳さんに相談しながら、決めていきました。
「一枚一枚は小さくても、束の塊として存在感があるものがいいなと。それぞれは片手で持てて、広げたら貼りたくなるような。クルマの断片を集めて刷っていくことで、広げたときに明らかになる形を想像できて面白い。子どもでも家のクルマが好きになるような、御守りのようなものになればいいなと思いました(NC 加藤)」
決まった仕様は、A3サイズの用紙2枚にそれぞれリソグラフで両面印刷し、用紙を4つ折りにしてから切り込みを入れ、切り込み部分から2枚を繋ぎ合わせて、A6サイズ全30頁となる冊子を1人につき1冊製作。それを30人分(30冊)1セットとしたもの。100セット製作を目指しスタートしました。雑誌や紙の制作物を作ったことはあっても、手作業で、というのは経験値のない私たち。当初は、この仕様の大変さはあまりわかっていなかったんですね(笑)。
仕様が決まれば、冊子になった時のページ割を計算しながらデザインを組んでいきつつ、文字校正、印刷に仕様する色の選定、テストプリントなどをして本番データを仕上げてから、本番印刷に。そこから週1~2回は印刷所に通わせてもらい、ひたすら印刷をしていく。
「私はデザインから製本まで全ての工程に携わらせていただきました。デザインし始めてから1年以上。かなり長い時間をかけ、途中何回もくたばりかけましたが無事に完成し、ちゃんとお披露目もできてまずはホッとしております。webの記事を改めて冊子にしているのですが、オフショットも多数使用し、実際に手にとってみれる良さを感じれます。冊子にしたことで一人一人のクルマと暮らしの物語がより際立ち、webとは全然違う印象を受けてもらえるかと。2枚の紙を組んだときにランダムで混ざるビジュアルの楽しさも見ていただけたら嬉しいです。全手作業というフィジカルすぎる工程でしたが出演者さんからの嬉しい声も多数聞けているのでそれが何より嬉しいです。頑張ってよかったと!(笑)」(石川)
ちなみに、リソグラフ印刷機の特性上、印刷ボタンを押したらあとはよろしくとならないわけで。色の出方や印刷位置の微調整が必要であったり、次々と印刷機から飛び出てくる用紙の間に、色移り防止のために紙を挟む作業などもあり、つきっきりで印刷機に向き合わねばならないのです。片面を刷ったら片面を乾かして、また翌週にもう片面を刷っていく。6,000枚ともなる印刷の道のりはなかなかなものでした。
刷り上がったらいよいよ製本。2枚の用紙をそれぞれ8つ折りにしてから、切り込みを入れて組み合わせて、さらに切り込みを入れてページを展開していく。これが本当に、気の遠くなる作業でした(笑)。
手で製本するってどういうことか。『PEOPLE』オリジナルポスターを使って解説しています。両面印刷したA3用紙を、2枚組み合わせて、折って、カッターで切り目を入れ、手で綴じていきます
「noru journal立ち上げから続いている連載『people』。最初の2年くらいはほとんどの記事を執筆を担当していたこともあって、個人的にも思い入れの強い企画です。移動を制限され非接触がスタンダードとなったコロナ渦の世界で、生まれたnoru journal。AIの台頭で益々オンライン完結な世の中になりつつあるわけですが、今回のZINE製作は、そういったものの真逆のものづくり。タイパもコスパも一旦置いておいて、ひたすらに手を動かし続けて、1冊1冊作り上げました。音やにおいを感じながら、直接的な体の疲れを抱えながら、久しぶりに、五感が刺激される作業。そのこと自体にどんな価値があるのかは分かりませんが、実物の重量以上の重みを感じる色んな意味での“成果物”ができたように思います。」(久恒)
そうしてようやく、昨年末にすべての製本を終えました。ここまでくれば販売も目前に。パッケージや価格について、ああでもないこうでもないとミーティングを繰り返し、パッケージ見本の取り寄せや調整を重ねて、つい先日パッケージングが完了。ついに完成したのです。

画面越しにお届けしていたnoru journalの財産ともいえるコンテンツ「people」が、自分たちの手を動かし、オンラインにのせることのできない想いがフィジカルで受け取っていただける紙というかたちなりました。ぜひ手に取っていただけたら幸いです。
クルマに乗る時間がより愛おしくなったり、どんなクルマに乗ろうか?というヒントになったり、すれ違うクルマたちに風情を感じたり。そんなアナログな趣あるZINEになっているはずです。あなたにとってクルマとは? その問いの中にある物語に心がくすぐられると思います。