自然に溶け込んで、感覚を澄ませる旅
表萌々花/写真家
area:長野県黒姫
都内在住のフォトグラファーとして活動する表萌々花さん。大自然の中に身を投じる国立公園の撮影や、“旅”をテーマにした撮影も多く、年中国内外を飛び回っている。地元である岐阜県高山市をはじめ、日本各地の土地に根差す暮らしや文化を投影した写真は、彼女のライフワークでもある。
「旅はほとんどがクルマ移動です。気になるスポットが現れたときに気軽に立ち寄れるのがいいですよね。思いもよらない出合いにいつも恵まれています」
旅の途中で偶然出会った器やオブジェなど、各地の職人の手による一品を少しずつ集めるのが、表さんの旅の楽しみだ。
「伝統的な手仕事や民藝という思想に興味があり、気づけばそれが旅の目的になっていました。近年はメキシコ、チュニジア、エチオピアなどを巡って、伝統の技が息づくラグや、どこか不思議な存在感を放つオブジェ、味わい深い器に惹かれて買い付けてきました。旅先で撮影した写真を展示する際には、そうした品々を併せて紹介・販売することもあります」

今回表さんが教えてくれたのは「自然に触れたくなったときにおすすめ」だという旅のルート。
「黒姫に暮らす友人が、高原を流れる小川で自生するクレソンをよく摘みに行くと聞き、私も一緒に訪れたのが始まりでした。澄んだ水辺の風景に心を奪われ、実際にクレソンを摘んでみると、自然の恵みがぐっと身近に感じられ、この場所が一層好きになりました。また、その後偶然撮影で訪れることもあり、黒姫に縁を感じています」
北信五岳のひとつに数えられる黒姫山を中心に、戸隠の方面へと向かう。


Photo by Momoka Omote
長野県水内郡信濃町
01.黒姫高原
大自然を全身で味わうことができる場所
黒姫山(標高2053メートル)の東側の裾野に広がる黒姫高原。ハイキングコースは気軽に大自然を散策できます。またコース内には、森林の癒し効果を説明した案内板もあるのも嬉しいですね。霧がかかっているととても幻想的な風景が広がります。
- 住所
- 〒389-1303 長野県水内郡信濃町野尻黒姫高原

長野県長野市
02.季節の素材 手打ちそば 岳
地のものを腹で味わう、滋味深い山の蕎麦屋
戸隠キャンプ場内にあるお蕎麦屋さんで、昼食をいただきます。キャンプ場の入り口からお店までの道のりも気持ちよく、ドライブしながら向かいます。戸隠は標高が高く、寒暖差の激しい地域で朝霧が立ちやすいので、質のいいソバが育つそう。戸隠の農家さんが育てたソバを、丁寧に手打ちされています。お蕎麦以外のメニューも豊富で、店主が自ら山に入って採りにいく山菜やきのこなど季節の食材を楽しむことができます。
- 住所
- 〒381-4101 長野県長野市戸隠大洞沢3694-1 (戸隠キャンプ場内)
- URL
- gaku-togakushi.com
- IG
- @teutisobagaku

長野県長野市
03.喫茶ランプ
谷川俊太郎の詩とコーヒーでほっと一息
1979年創業、戸隠中社のお膝元にある老舗喫茶店です。詩人の谷川俊太郎が愛した喫茶店で、店内には彼の作品をはじめ、たくさんの詩集と絵本が並んでいます。
山小屋のような落ち着く空間で、コーヒーをいただきながら小休憩。コーヒーは、戸隠竹細工のドリッパーで淹れてくれます。休憩のお供、蕎麦のケーキや薔薇のケーキなど手作りの甘味も充実しています。また、蕎麦粉の焼き菓子「サラザン」がとても美味しいのでおすすめ。土地にまつわる資料や本もあり、このエリアについて深く知ることができます。
- 住所
- 〒381-4101 長野県長野市戸隠3531-1
- 営業日
- 営業時間 9:00~18:00 (L.O.17:30)/木曜定休
- URL
- tgk.janis.or.jp/~lamp
- IG
- @togakushi_lamp
長野県上水内郡信濃町
04.ふるみの藍 清水屋
風土を感じる手仕事
「清水屋」さんは、旧家の土蔵から100年以上前の伊勢型紙が見つかったことをきっかけに、工房の藍染を復活させたそうです。資料館には、伝統的な美しい型紙が展示されています。「清水屋」さんの藍染は、畑で藍を育てるところから始まります。染料もすべて自然由来。ものづくりが自然と結びついているということを、改めて教えてくれる場所です。事前予約さえしておけば、気軽に藍染体験に参加することができます。
- 住所
- 〒389-1302 長野県上水内郡信濃町古海3092-1
- TEL
- 090-1817-1555 (冬季休業、藍染体験は要予約)

表萌々花 (おもてももか)
写真家。海外でのボランティア活動をきっかけに、写真を撮るようになる。帰国後、アシスタントを経て独立。訪れた風土や土地のもつ空気感、時に厳しい現実や死生観を感じさせる作品を数多く発表している。国内外問わず活動中。
HP:momokaomote.com
IG:@fantasy_omote
Text by Yuuho Tanaka