
自転車でつくる、朝の余白
普段はラジオナビゲーターとして働き、最近ではポッドキャストの収録を、隙間を縫うように行っているというノイハウスさん。6月から始めたポッドキャスト番組『other mothers』では、母親たちのキャリアや選択、生き方に耳を傾けている。
「母親らしさ」にまつわる固定的なイメージについて考えるようになったことをきっかけに、周囲にいる魅力的な母親たちの話を通じて、すでに答えが出ている人生だけでなく、いまなお模索の途中にある選択やキャリアにも光を当てていく番組だ。
そんな彼女の暮らしを、ここ数年支えているのが自転車。朝イチに保育園への送迎、駅までの移動、そして通勤。職場に自転車で向かう日は片道およそ10km、往復すれば20kmになる日もあるという。
交通量の多い街なかを走る怖さがないわけではない。それでも通勤ラッシュに身を置くより、自分のペースで移動できることに心地よさを感じている。また、仕事や子育ての合間にジムへ通う時間を捻出するのは難しい。ならば、もともと好きだった自転車を日々の移動に組み込めばいい。そう考え走り始めると、意外なほど遠くまで行けることがわかった。
駅から少し離れた場所も、乗り換えや徒歩の時間を気にせず行ける。朝夕に訪れる45分の無音は、移動時間であると同時に、忙しい日常から少し距離を取るための余白にもなっている。

──「自転車に乗ること」は、あなたにとってどんな時間?
自由な時間です。忙しい東京の街を走っているんですけど、一人でいる感じがする。そこがすごく心地いいです。
自転車通勤中は、スマートフォンを見ることも、メールを返すこともできない。往復45分ずつ、何のコンテンツも入ってこない時間が自然と生まれるんです。それが自分にとっては、すごくいいデジタルデトックスになっています。
朝に一度身体を動かしてから職場に着くと、「もうひと頑張りしたな!」という小さな達成感もある。ぎゅうぎゅうの電車で消耗するのとは違って、機嫌よく一日を始めるためのリズムになっていますね。
──乗っている自転車について教えてください。こだわりのポイントも。
子どもを乗せる必要が出てきて、いろいろ見ながら選びました。子ども用のシートを付けられることはもちろんですが、タイヤが小さすぎないこともポイントです。あとはカラーですね。すごく目立つ色ではないけれど、街でよく見かけるものとは少し違うカラーリングがよかった。
いわゆる「ママチャリ」と呼ばれる自転車ですけど、私はこれで通勤も買い物も、友人の家に行くときも移動しています。保育園の送迎だけのものとして捉えられがちですが、家族のために選んだ一台が、結果的に自分の行動範囲も広げてくれました。

通勤から保育園の送迎、駅までの移動に友人宅へのお出かけ。子どもを乗せるために選んだ電動アシスト自転車「PANASONIC Gyutto」は、送迎のためだけではなく、通勤にも買い物にも寄り道にも、日常の移動を網羅的にサポートしてくれる相棒だという。
──自転車での移動距離、1週間でどのくらい?
通勤する日は片道10kmくらいなので、往復で20km。毎日ではないですが、週に3回くらい乗れたらいいほうなので、週にすると100kmくらいだと思います。
──好きなサイクリングコースは?
しまなみ海道は最高でした。去年、母と二人で行ったんですけど、尾道から今治まで、島に泊まりながら3日くらいかけて走りました。
海と島の景色がいいのはもちろんですが、途中のレストランやカフェ、宿も全部よかった。クルマだと通り過ぎてしまうような場所に止まれたり、神社に寄れたり、自転車のままフェリーに乗れたりするのも楽しいですよね。いろんなルートがあるので、もう一度行きたいと思っています。
自転車の旅は、歩くのと似ているところがあります。自分の移動する速度に合わせて、思考のペースも変わっていく。考えすぎず、でも頭はすっきりする。クルマ旅とはまた違う感覚ですね。
──今回着用している〈narifuri〉のウエアはいかがでしたか?
今日着たトップスは、生地の厚みもちょうどよかったです。自転車に乗っていると、少し風を防いでほしいけれど、着込みすぎると暑くなる。そのバランスがよかったですね。
特にベストは軽くて驚きました。風を防げるし、状況によって裏返して着られるのもいい。雨や風へのプロテクションがありながら、いわゆる自転車専用ウエアっぽく見えすぎない。これならそのままオフィスにも入れます。

軽量でリバーシブルな『アクティブインサレーションリバーシブルZIPベスト』と、伸縮性に優れた『マルチワッフルクルーネックスウェット』とレイヤード。通勤の走行中からオフィスまで、気温やシーンの変化に無理なく寄り添ってくれる。
──ウエアを含め、ギアに求める要素は?
軽さと収納力ですね。通勤で自転車に乗るとなると、服の素材や形はどうしても気になります。ジーンズのように動きにくいものより、少しシャカシャカした素材だったり、気にせず動けるものを選びがちです(笑)。
それと、着替えるのは面倒なので、自転車のためだけの格好にはしたくない。普段着として成立して、そのまま仕事にも行けることが大事です。
──自転車に乗り始めた頃と現在、どんな変化を感じますか? また今後のサイクリングのシーンに期待したいことは?
自転車で行くようになって、寄り道が増えました。電車だったら、目的地に着いたらそのまま帰ろうとなりがちですけど、自転車だと途中で気になるお店に寄りたくなるんです。
電車で行くほどではないけれど気になっていたお店に行ったり、いつもと違うスーパーに寄ったり。カゴがあるので、帰り道にパンや野菜をたくさん買って帰ることもあります(笑)。自転車に乗ると、自分のなかの地図が変わる感じがしますね。
一方で、東京はまだ自転車に乗りやすい街とは言いにくいですよね。路上駐車を避けなければいけなかったり、バスやタクシーとの距離が近かったり。歩道を走るのか、車道を走るのか、迷う場面も多い。子どもを乗せていると、なおさら気をつかいます。
駐輪場も含めて、もっと気軽に、安心して乗れる環境になっていくといいなと思います。
──自転車に乗っていて、「自由」を感じる瞬間がありますか? どのような時に?
自分でルートを選べるときですね。目的地に着くことだけではなく、その途中にあるものも楽しめる。
──“サイクリスト”としての目標や目指す場所はありますか?
自転車がもっと日常の移動手段として自然に選ばれるようになったらいいですね。「自転車で来たんだ、大丈夫?」ではなくて、「いいね」と言われるような空気になったらいい。
いわゆる「ママチャリ」も、生活を少し自由にしてくれる自転車のひとつとして、もっとポジティブに見られたらうれしいですね。保育園の送迎だけに使うものではなく、そのまま通勤や買い物にも使える。忙しい親にとって、すごく合理的な選択肢だと思うんです。

ノイハウス萌菜 (モナ)
ラジオナビゲーター、MC。ラジオ番組への出演を中心に、イベントの司会やナレーションなど幅広く活動する。環境にまつわる活動にも継続的に取り組みながら、近年は母親たちの多様な選択やキャリアに耳を傾けるポッドキャスト『other mothers』もスタート。二児の母として、送迎や通勤を含む日々の移動に自転車を取り入れている。
IG:@mjneuh
photo by Teppei Hagiwara / edit&text by Ryo Muramatsu / promotion by narifuri




